世界初のパラシュート降下/空気入りタイヤの父ダンロップ死去/三菱のヒップアップクーペ・GTOデビュー!【今日は何の日?10月22日】

■パリで900m上空からパラシュート降下に成功

10月22日は、「パラシュートの日」です。1797年のこの日、フランス人のアンドレ・ジャック・ガルヌランが、パリ公園で高度約900mの熱気球からパラシュートを使って無事降下したことにちなみます。パラシュートは、手作りの布製で直径約7mの傘のような形でしたが、パラシュート内の空気を逃がして姿勢を安定させる穴が開いてなかったので、酷く横揺れしながら降下したそうです。それにしても、何の実績もないパラシュートで上空900mから飛び降りるとは、無謀というか、信じられないですね。

さて、クルマ界の今日は何があったのでしょう?

●空気入りタイヤを発明したJ・B・ダンロップが亡くなる

ロゴ(C)Creative Commons
ロゴ(C)Creative Commons

1921(大正10)年のこの日、空気入りタイヤを発明した英国人のJ・B・ダンロップ氏が亡くなりました。アイルランドの獣医師であったダンロップは、10歳の息子に3輪車がもっと速く走れるように頼まれ、思いついたのが空気入りタイヤでした。空気で膨らませたゴムの袋を帆布で包んで車輪に巻いた空気タイヤは、それまでのゴムのソリッド(中実)タイヤに比べると乗り心地が良く、スピードも出せた優れものでした。ダンロップは、1888年に空気入りタイヤの特許を取得し、翌年には自転車用タイヤの会社を設立。その後、大規模なゴム園の経営に成功して、世界的なタイヤ会社に成長させたのでした。ちなみに、自動車用の空気入りタイヤを初めて作ったのは、フランスのミシュラン兄弟でした。

●三菱スポーツモデルのフラッグシップ・ギャランGTO発表!

1970(昭和45)年のこの日、三菱自動車はスポーツクーペ「ギャランGTO」を発表、11月から発売を始めました。

1970年発売のギャランGTO
1970年に発売されたギャランGTO
1970年発売のギャランGTOの横外観、ファストバックのダックテールが特徴
ギャランGTOの横外観。ファストバックのダックテールが特徴

当時の三菱は、4ドアセダンの「コルト・ギャラン」を主力モデルとしながらも、2ドアハードトップを追加するなどして、重工譲りのかたい企業イメージからの脱却を図っていました。そのような中、スポーツモデルのイメージリーダーとして「ヒップアップクーペ」というキャッチコピーとともに登場したのがGTOです。

肉厚で重厚感のあるアメ車「マスタング」を思わせるようなGTOのスタイルは、大きな注目を集めました。典型的なロングノーズ・ショートデッキに、シャープなダイナウェッジライン、リアは日本初となるファストバックにキュッと上がったダックテールを採用。エンジンは、1.6L直4 SOHCのシングル・キャブ仕様とSU型ツインキャブ仕様、トップレンジの「GTO・MR」には三菱初の1.6L直4DOHCにソレックス仕様のエンジンが搭載されました。GTO-MRは、最高出力125PS/6800rpm、最大トルク14.5kgm/5000rpmを発揮し、最高速度は200km/h越え、0→400mは16.3秒と、文句なく当時最強を誇りました。

1970年発売のギャランGTOの後ろ外観、4つ目の四角テールランプが特徴
ギャランGTOの後ろ外観。4つ目の四角テールランプが特徴

スタイルも走りも時代の先を走っていたGTOでしたが、スペシャリティカーゆえに価格は112.5万円、同時期に登場したトヨタセリカが20万円ほど低価格だったので、割高感のイメージは拭えませんでした。さらに1973年に起こったオイルショックの影響もあり、思うように販売は伸びませんでした。

50年も前のモデルですが、日本車離れした精悍なマスクとスタイリング、その卓越した走りで、三菱のスポーツモデルの最高傑作としてGTOを挙げる人は多いですね。実際にその伝説は受け継がれ、1990年には4WDスポーツカー「GTO」がデビューすることになります。

毎日が何かの記念日。それではまた明日!

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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