■ナンバーを読み取る装置だがその気になれば速度判定も!
「Nシステム」とは、全国の道路の1500カ所以上に設置されている「自動車ナンバー自動読み取り装置」のこと。
眼下を走行するクルマのナンバーを読み取り、中央装置に伝送→蓄積され、主に犯罪捜査に使われているのです。しかし、最新式ではナンバーだけではなく車室内の乗員まで写せる高性能カメラに大容量スーパーコンピューターがドッキング。なんとその気になれば、連続撮影することで速度まで割り出せちゃうというのです!
初導入は約30年前の1986年。手配中の車両などを人手をかけずに無人検問しようというのが開発コンセプトでした。そして今や、確認されているNシステムの設置数は日本全国で1500カ所以上。街のあらゆる場所に設置されている監視カメラとともに、国民の全動向を把握する監視システムが着々と完成しつつあるというわけです。
ただ撮影されているだけなら日常生活に影響はないので、ほとんどの国民にとっては無害…ではあるのですが、ところがどっこい、オービスに似ているということに意外な危険性をはらんでいるのです!
というのはNシステムにはオービスのような「予告板」等がないため、オービスと勘違いして慌てて急ブレーキを踏むケースがあるのです。あなたもNシステムの直前の路面に急ブレーキと思われるブラックマークがついているのをみかけたことがあるのでは? 急ブレーキを踏んだ方も危ないですが、後ろを走っていたクルマだってたまったもんじゃありません。
現時点では、事前の予告板のないオービスは確認されていません。ということは、予告板のないオービスもどきはまず、Nシステムと考えていいでしょう。つまり、例えスピード違反していようがドリフト(?)していようが、撮影されたからといって臆することはないということです。
●改造車や車検切れ車両の街頭検査をする「可搬式」も
なお、国土交通省は2018年から可搬式の「ナンバー自動読み取り装置」を用いた街頭検査しています。不正改造車や車検切れ車両などの確認のために実施されているもので、車検切れを直接指導されたり、不正改造されていると認識された車両に「整備命令書」が交付された例も各地でみられています。
ちなみに、Nシステムは撮影時に無色透明な光を発しますが、オービスのように撮影したことをドライバーに認識させるためにわざと赤く発光することはありません。後ろめたいことのない善良なドライバーは安全第一で慌てず騒がず堂々と通過しましょう。
(文と写真:フードライズ)
※2021年9月29日の記事を2022年12月31日に再編集しました。