EVのワンメークレースのノウハウが投入されたジャガー「I-PACE」の2022年モデルが登場

■ECOモード時の効率を向上し、バッテリー残量がより少ない状況でも作動が可能に

ジャガー初のバッテリーEVであるSUVの「I-PACE」は、電動駆動ならではの鋭くスムーズな発進加速、やや床下の重さを意識させられるものの比較的軽快なフットワークを堪能できます。90kWhリチウムイオンバッテリーが搭載され、WLTCモード438km(国土交通省審査値)という航続距離を実現しています。

ジャガーI-PACE
ジャガーI-PACEのエクステリア

また、ドライブシャフトと一体化された軽量かつコンパクトな2つのモーター(最大効率 97%)が合計最高出力294kW(400PS)、最大トルク696Nmを発揮。0-100km/h加速は、4.8秒で、スーパーチャージャーを搭載するV8エンジンに匹敵する動力性能を誇ります。充電は普通、急速(チャデモ)に対応。

ジャガーI-PACE
2022年モデルのリヤビュー

2021年9月9日、そのI-PACEの2022年モデルが発売されました。

2022年モデルの見どころは、世界で初めて行われたバッテリーEVの市販車をベースにしたワンメイクレース「Jaguar I-PACE eTROPHY」で培われた知見が市販車に反映されています。フロントモーターとリヤモーターのトルク配分が変更され、ECOモード時の効率を向上。

さらに、アクティブベーンシステムが効果的に使用されたことで温度管理が改善。これにより、パフォーマンスや耐久性に影響することなく、バッテリー残量がより少ない状況でも作動ができるようになったそうです。

ジャガーI-PACE
ジャガーI-PACEのインパネ

外観もよりスポーティな仕立てになっています。19インチにサイズアップされたアルミホイール(従来は18インチ)が標準装備されたのをはじめ、クロームの「ティップド・グリルピン」が備わるなど、より精悍なムードになっています。

新たに、グリルサラウンドや、ミラーキャップ、サイドウィンドウサラウンド、リヤディフューザーにアクセントが施された「ブライトエクステリアパック」を追加。ボディカラーのラインナップも「カルデラレッド」「ポルトフィーノブルー」「アイガーグレイ」「アルバ」の新色が設定され、全12色展開となっています。

一方の内装には、「グレインレザー」の14ウェイ電動フロントパフォーマンスシートが導入されたほか、ヘッド レストにあるジャガーリーパー(レザーシート)を3D加工が施されています。また、40:20:40分割可倒式リヤシートを標準装備。

ジャガーI-PACE
ジャガーI-PACEの充電風景

「3Dサラウンドカメラ」「ブラインドスポットアシスト」「アダプティブクルーズコントロール(ACC)」「クリアイグジットモニター」「リヤコリジョンモニター」などの先進安全装備、最新インフォテインメントシステムの「Pivi Pro」が標準化され、安全性と利便性も引き上げられたのも朗報。

オプションも見直されています。「ワイヤレスデバイスチャージング」「ClearSightインテリア・リヤビューミラー」「アクティビティキー」「パークアシスト」「コンビニエンスパック」などに加え、より豊富な装備が用意されています。

ほかにも、2022年モデルから新グレードの「BLACK EDITION」が加わっています。こちらは「S」がベースで、「ブラックエクステリアパック」をはじめ、グロスブラックフィニッシュ仕上げの20インチ「スタイル 5068」5スポークアルミホイール、「固定式パノラミックルーフ」などの充実装備が光ります。これにより、全4グレード展開となります。

ジャガーI-PACE
ジャガーI-PACEのエクステリア

価格は、「I-PACE S」が1005万円、「I-PACE SE」が1093万円、「I-PACE HSE 」が1221万円、「I-PACE BLACK EDITION」が1139万円です。

塚田勝弘

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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