マイナーチェンジしたディスカバリーに新搭載された直6ディーゼルターボ+マイルドハイブリッドのスムーズさは絶品

■3列シートSUVの中で最上級のオン・オフ問わない高い走破性が魅力

2017年に日本に導入されたランドローバーディスカバリー。初のマイナーチェンジを行った2022年モデルに試乗できましたので、インプレッションを紹介しましょう。

ディスカバリーの外観01
ストローク感のある穏やかな乗り味。

5世代目となる現行型ディスカバリーは、優れた多用途性やオフロード走行性能、7人すべての乗員に快適さと広い視界をもたらすスタジアムシートなどのDNAを受け継ぎつつ、さらに進化させています。

その特徴として、豊富なシート・アレンジと収納力があげられます。そして、現行型ディスカバリーは、世界初となるインテリジェント・シート・フォールド機能を採用しています。

ディスカバリーの内装07
ラゲッジルームの壁面に設置されたスイッチ。シートアレンジや車高の上げ下げが可能。
ディスカバリーの内装01
路面状況に応じて、クルマを制御するテレイン・レスポンス2オートを搭載。

この機能は、ラゲッジスペースのスイッチやタッチスクリーン、さらには専用アプリを使ってスマートフォンからの遠隔操作で、2列目と3列目のシートを自動で展開することが可能というもの。

利用シーンに合わせて簡単にシートレイアウトを変更でき、7シートの状態から、2シートに折りたたんでラゲッジスペースを最大にするまでにかかる時間は、わずか14秒という早技です。

また、高い悪路走破性も実現していて、状況に応じてエンジンやギアボックス、ディファレンシャル、サスペンションなどのセッティングを自動的に最適化するテレイン・レスポンス2オートや、段階のオフロードモードを備えた最新のクロスリンク式電子制御エアサスペンションシステムを採用しています。

ディスカバリーの外観02
ディスカバリーのフロントスタイル。

今回試乗した2022年型で行われたマイナーチェンジで、外観ではLEDヘッドライトやテールライト、フロントグリル、バンパー(フロント/リア)のデザインを変更。

インテリアも3列目シートを標準装備としたほか、2列目シートの形状、シートクッションの角度や厚みを改善し、7人の乗員が快適に過ごせる空間に改善しています。さらに、ダイナミックな外観と洗練された内装を備えたグレード「R-DYNAMIC」を追加しました。

ディスカバリーの外観03
ディスカバリーのリアスタイル。

そして、運転支援システムを標準装備化すると同時に、最新インフォテインメント・システム「Pivi Pro」を標準装備。「Pivi Pro」に付帯するオンラインパックには、専用の通信データプランを用意しており、施設情報やガソリン価格、マップデータの取得をはじめ、音楽、天気、カレンダーなどのコネクテッドアプリを、スムーズで快適な通信環境下で、データ容量を気にすることなく使用できます。

ディスカバリーの内装03
最高出力300psを発生する3L直列6気筒ディーゼルターボ。

搭載するエンジンは、最高出力300ps・最大トルク650Nmを発生する3L直列6気筒ディーゼルターボ。そして、最高出力360ps・最大トルク500Nmを発生する3L直列6気筒ガソリンターボの2種類。それぞれベルト・インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター(BiSG)とリチウムイオンバッテリーで構成される48VのMHEV が組み合わされています。

今回試乗したのは、3L直列6気筒ディーゼルターボエンジンを搭載した車両本体価格950万円の「ディスカバリーSE D300」です。夏の太陽に映えるナミブオレンジは20万1000円のオプションカラーとなっています。

ディスカバリーの内装02
ディスカバリーのインストルメントパネル。

全長4985mm×全幅2000mm×全高1895mmというボディサイズのディスカバリーは圧倒的な存在感を放ちます。SUVが街に溢れていますが、ディスカバリーの存在感は抜群です。

シグネチャーLEDヘッドライトやフロントグリル、バンパーなどのデザインが変更され、外観デザインは精悍さが強まっています。一方インテリアは液晶パネルを多用し先進性を強調しています。

ディスカバリーの内装04
ディスカバリーのフロントシート。
ディスカバリーの内装05
ディスカバリーのセカンドシート。

車両重量は2470kgというヘビー級のディスカバリーSE300ですが、新搭載された3L直列6気筒ディーゼルターボ+マイルドハイブリッドシステムは非常にスムーズに加速します。

特に発信時アクセルを踏んでスタートさせ、その後アクセルペダルをパーシャルで留めていても、スーッと加速していきます。したがってアクセルペダルをあまり踏まなくても法定速度にあっという間に達してしまいます。

このスムーズな加速により、室内空間は高い静粛性を誇ります。

ディスカバリーの内装06
ディスカバリーのサードシート。大人でもゆったり乗れる。
ディスカバリーの外観04
装着するタイヤサイズは275/45R21。銘柄はピレリースコーピオンゼロ。

電子制御サスペンションの乗り味は非常にソフトです。今回はオンロードのみでの試乗でしたが、ストロークのあるサスペンションによって、路面からの衝撃を吸収。また、路面変化に対応してフラットな乗り味を実現しています。

走行モードを切り替えると、車高が変化し路面状況に合わせて最適な走行モードとなるなど、オンオフ問わない走行性能はディスカバリーの魅力です。

ディスカバリーの内装09
モノを積みやすいように床面が出てくる。
ディスカバリーの内装08
3列シートを使用しても荷室は確保されている。

まもなく、新型トヨタランドクルーザーが登場しますが、豪華装備や高い悪路走破性などガチンコのライバルと呼べるクルマに仕上がっているので、ぜひ試乗してみてもらいたいです。

 

●ランドローバー・ディスカバリー SE D300 (8速AT)
■Specification
全長4945mm×全幅2000mm×全高1895mm、ホイールベース 2925mm、車両重量2470kg、エンジン種類 直列6気筒ディーゼルターボ、総排気量2993cc、最高出力300ps/4000rpm、最大トルク650Nm/1500-2500rpm

(文・写真:萩原 文博

この記事の著者

萩原 文博 近影

萩原 文博

車好きの家庭教師の影響で、中学生の時に車好きが開花。その後高校生になるとOPTIONと中古車情報誌を買い、免許証もないのに悪友と一緒にチューニングを妄想する日々を過ごしました。高校3年の受験直前に東京オートサロンを初体験。
そして大学在学中に読みふけった中古車情報誌の編集部にアルバイトとして働き業界デビュー。その後、10年会社員を務めて、2006年からフリーランスとなりました。元々編集者なので、車の魅力だけでなく、車に関する情報を伝えられるように日々活動しています!
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