■専用エクステリアなどにより先進感を強調
EQCに続く、メルセデス・ベンツEV第2弾として日本に上陸したEQAは、SUVのGLAがベース。
兄貴分のEQCもSUVのGLCがベースになっていて、両モデル共にEV専用プラットフォームではなく、内燃機関搭載車がベースとなっています。こうしたガソリン、ディーゼルエンジン仕様をEV化すれば、コストを抑制できるなどのメリットがあります。
EQAのサイズは、全長4465×全幅1850×全高1625mm。ベースのGLAは、全長4415〜4440×全幅1835〜1850×全高1585〜1620mm。ホイールベースは、両モデル共に2730mmです。なお、兄貴分のEQCは全長4770×全幅1925×全高1625mmという堂々たる大きさで、とくに全幅はかなりワイド。
EQAも全幅が1850mmと、狭い道が多い日本では広めではありますが、このサイズであれば取り回しや駐車場事情などの許容範囲、という方も一気に増えそうです。
GLAとEQAのボディサイズの違いはエクステリアのデザイン(意匠)の違いで、EQAは、ブラックパネルグリルによる専用フロントマスクやアルミホイールなどによりスポーティな仕立てになっています。
ヘッドライトとテールランプをつなぐ横長の前後LEDも目を惹きます。インテリアは現在、音声コントロールで最も秀逸といえる対話型インフォテインメントシステムの「MBUX」に対応するほか、電動化に対応したセンターディスプレイやメーターディスプレイ表示により、先進感あふれる仕上がりになっています。
気になる航続距離は、満充電で約422km。充電は普通充電(AC200V)と急速充電(CHAdeMO)に対応し、メルセデスが提供する充電用ウォールユニット(30A)であれば、約11時間で充電が完了。
急速充電はフル充電まで約45分(CHAdeMO 90kWタイプの場合)となっていて、30分充電すれば80%くらいまで充電できそう(充電は、条件により異なります)。なお、試乗時のメーター表示は、360km程度でした(試乗前の減り具合や、充電時間などは分かりませんでした)。
充電をしていたスタッフの方に伺うと、満充電時のメーター表示は、400kmには届かない程度だそうで、実電費としては妥当ではないでしょうか。これくらい走れば、都内から箱根方面は余裕で、軽井沢や小淵沢などへのドライブや別荘に出かける、という使い方にも十分対応できそうです。
気になるのは価格面。兄貴分のEQCは、1080万円から895万円へと185万円の値下げをしたばかりで、メルセデスの「売る気」が伝わってきます。
弟分のEQA(EQA 250)は640万円と、よりユーザーの裾野を広げる価格設定としています(先行予約仕様のEQA 250 Edition1は、790万円)。さらに、CEV補助金は40万円で、環境性能割非課税分、自動車重量税免税分、自動車税減税・免税分として約15万円の減税(免税)も受けられます。
加えて、東京都と愛知県は、減税(免税)額が約26万円になります。さらに、再生可能エネルギー100%電力利用の補助金や東京都独自の補助金、満65歳以上のサポカー補助金(10万円)もあります。
なお、メルセデス・ベンツからのサポートとして、充電用ウォールユニット、設置費用サポート、「Mercedes me Charge」1年間分の基本料金もあり、こちらは合計約30万円のサポートとなっています。
たとえば、東京都在住で65歳以上の方が各種補助や減税(免税)などを受けると、最大約190万円のサポートが受けられます。この場合は、約450万円〜の実費でEQAのオーナーになれます。
(文:塚田 勝弘/写真:井上 誠)