■エンジン回転数をスマホで見られる
4輪車の世界ではだいぶコネクテッドカーが増えてきました。いっぽうで2輪車ではまだごくわずかです。しかし、技術の進歩で低コストな導入が可能になったら、もっと普及するかもしれません。ヤマハがその動きを推し進めています。
経済産業省と東京証券取引所が共同で主催する「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)2021」のひとつに大手2輪車メーカーのヤマハ発動機が2年連続で選定されました。
これは国内上場企業の中から、優れたデジタル活用の実績が表れている企業の株式銘柄として選ばれたというものです。
ヤマハが選ばれた理由は、『コネクテッド技術を使ったお客様との繋がりによる二輪車への付加価値など企業価値への貢献、ロボティクス技術の活用やモビリティの変革など事業との親和性の高さによるDX実現能力など』ということだそうです。
そのヤマハの活動のひとつとして挙げられるのが、専用スマートフォンアプリを介した、スクーターと“つながる”技術です。2020年からコネクテッド2輪車と専用アプリ『YAMAHA Motorcycle Connect』のグローバル展開を開始していて、コネクテッド2輪車のひとつであるNMAXがちょうどこの6月から日本市場にも投入されます。
このコネクテッド2輪車はCCU(Communication Control Unit)を搭載していて、スマートフォンの専用アプリと連携することで、さまざまな車両情報を提供できるようになっています。メーター表示機能の拡張や、メンテナンスタイミングのレコメンド機能などが使えるようになるのです。
また、スマートフォンと車両のメーターと連携することで、SNSや着信の通知のほか、さまざまな情報をメーターにアイコン表示できるようにもなり、メーター内の時計の自動調整機能も使えるようになります(これ便利じゃない!?)。より快適に、安全にバイクライフを送れるようになるというわけです。
ヤマハって、先進的というかちょっと尖っているというか、チャレンジングな試みをどんどんやっていくメーカーなんですよね。バイクそのものでも以前からそういう特徴がありましたが、デジタル技術に関しても、いちはやくスマホでパーツカタログを見られるようにしたりと取り組みを牽引してきた印象です。
ヤマハでは中期目標としてコネクテッド二輪車年間20万台以上、2024年には累計400万台の市場投入、2030年の全製品つながる化という展望を示しています。デジタル技術の進化で、これまで以上にバイクと親密な関係が気づけるようになるかもしれません。
(まめ蔵)