MINI3ドア/5ドア/コンバーチブルがマイナーチェンジ。業界初のグラデーションカラー「マルチトーン・ルーフ」は、3色が徐々に変わる独自の塗装技術

■アダプティブクルーズコントロールにストップ&ゴー機能が追加されるなど、先進安全装備もアップデート

2021年5月25日、MINIの3ドア、5ドア、コンバーチブルがマイナーチェンジを受けました。MINIシリーズのBセグメントモデルで、小さな高級車、あるいはコンパクトオープンスポーツとして定番となっています。

エクステリアは、丸目でお馴染みのヘッドライトがLEDヘッドライトにアップデートされ、全車に標準化されています。

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マイナーチェンジを受けたMINI3ドア、5ドア、コンバーチブル

あわせてフロントグリルが大型化され、クラシックMINIから続く伝統的な六角形のグリルを強調。同時にラジエターグリルを囲む六角形のフレーム部分がより太くなり、MINIの個性が引き上げられています。

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3ドアのMINIクーパーS

従来はフォグランプが装備されていたフロントバンパー下部に、新たにエアカーテンが採用されています。これにより、前方からの空気の流れを効率よくエアインテークに送り込むことで、デザイン性と空力性能を向上。

バンパー中央部分が従来のブラックからボディ同色に変わったことで、より上質感が増しています。サイドビューは、新デザインのサイドスカットルによりスタイリッシュなムードに刷新されています。リヤバンパーの下側は、新たに動きのある立体的なデザインになり、スポーティムードが演出されています。

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コンバーチブルに用意される「ゼスティー・イエローソリッド」

ボディカラーには新色が追加されています。少し明るいグレーの「ルーフトップ・グレーメタリック」、深みがあるブルーの「アイランド・ブルーメタリック」、個性が際立つ「ゼスティー・イエローソリッド(コンバーチブルのみ)」の3色。

さらに、業界初のコンセプトを謳う「マルチトーン・ルーフ」を新たに設定。グラデーションの「マルチトーン・ルーフ」は、車両前方に深みのある「ソールブルー」が配置され、前から中央に移るにつれて明るい「パーリーアクア」、後方には濃いカラーの「ジェットブラック」に徐々に変化するルーフカラーデザイン。

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業界初を謳う「マルチトーン・ルーフ」

これは、MINIが生産されているオックスフォード工場の塗装技術により実現したもので、各々の塗料が乾ききる前に塗り重ねていくウェットオンウェット塗装技術が使われています。

1台1台で微妙に表情が変化するため、同カラーを選択するだけでMINIブランドのコンセプトの1つでもあるカスタマイズ性のある自分だけの1台を手に入れることができます。

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タッチ操作が可能な8.8インチワイドカラーのセンターディスプレイを標準化

一方のインテリアには、タッチ操作が可能な8.8インチワイドカラーのセンターディスプレイが全車に標準装備されたのがトピックス。デジタル表示のマルチディスプレイメーターパネルが、ベーシックグレードの「ONE」をのぞき採用されたことで、先進的なイメージを強めています。

センターディスプレイは、スイッチ類も含めてフラットなデザインになり、ディスプレイ内の表示レイアウトもモダンな仕立てになっています。

表示方法も気分に応じて、ブルーを基調とした落ち着きのある雰囲気を演出する「ラウンジモード」、MINIならではのゴーカート・フィーリングを視覚的に演出する「スポーツモード」から選択できます。さらに、オプション装備として設定された新しいアンビエントライトを選択すると、インテリアサーフェスやドアトリムの下などにLEDライトが装備され、キャビンを囲い込むように「ラウンジモード」「スポーツモード」の配色に連動したカラーが点灯します。

インテリアサーフェスも、中央のエアコン吹き出し口を取り込んだ一体型のデザインに変更され、洗練されたインテリアを演出。ほかにも、レザーステアリングホイールが全車に標準装備され、質感向上が図られています。

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MINIコンバーチブルのリヤビュー

スポーティグレードである「MINI John Cooper Works」も内外装が一新されています。新型のMINI John Cooper Works 3ドア、およびコンバーチブルは、よりスポーティなエクステリアが強調されるデザインになっています。ラジエターグリルを囲む六角形のフレーム部分が大型化。バンパー下のエアインテーク部分まで取り囲む形状となることで、押し出し感が増しています。

また、サイドスカットルにターンインジケーターの上部分に「MINI John Cooper Works」を象徴するレッドのアクセントカラーが専用ロゴと共に配置されています。リヤ下部のバンパー部分は、従来の六角形のメッシュ形状が減らされ、凹凸のないフラットなパーツと組み合わせることで、メリハリがあるアグレッシブなデザインになっています。

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LED化されたヘッドライト

装備のアップデートも盛り込まれています。運転支援システムのアダプティブクルーズコントロールに、MINI3ドア、5ドア、コンバーチブルとして初めてストップ&ゴー機能を追加。加えて、MINIシリーズ初搭載のレーンディパーチャーウォーニングをはじめ、前車接近警告機能、衝突被害軽減ブレーキも標準装備(MINI 3 door ONE / 5 door ONEをのぞく)。

コネクティビティでは、「MINI Connected」が全車に標準化され、車載通信モジュールにより車両外部との通信によるコネクティビティを実現。多様な情報が提供されるだけでなく、MINI SOSコールやテレサービスなど、万一の際に備える安心、安全が高められています。

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エクステリアが刷新されたMINI3ドア、5ドア、コンバーチブル

さらに、2021年4月にリニューアルされたスマホアプリである「MINI App」と連携させることで、車両に乗り込まなくても車両の状況や位置の確認、車両のロック、アンロック、ヘッドライトの点灯、換気などが遠隔で操作できます。「MINI App」は、アプリ上の地図機能に加えて、Google MapsやAppleの「マップ」と連携することが可能で、スマホで目的地を検索し、車両に転送することが可能。また「MINI App」により、サービス入庫の予約リクエストもできます。

新しいオプションも設定されています。MINIの購入時に、より分かりやすくインターネットを通じて情報収集が可能になるように「Trim(トリム)」と呼ばれる新しいデザインパッケージを用意。世界統一でシンプルなオプションになっています。

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グラデーションカラーの「マルチトーン・ルーフ」

「Trim」には、最もシンプルな「ESSENTIAL TRIM(エッセンシャルトリム)」、MINIの伝統的な個性が際立つ「CLASSIC TRIM(クラシックトリム)」、スポーティ志向の高い「JOHN COOPER WORKS TRIM(ジョン・クーパー・ワークス・トリム)」「MINI YOURS」の上質な装備が盛り込まれた「MINI YOURS TRIM(ミニ・ユアーズ・トリム)」の4種類を用意。

「Trim」をベースにしながら装備を選択していくことで、自分の好みに沿った、より統一感のある仕様を選択できます。

MINI3ドアの価格帯は、273万円〜482万円。MINI5ドアは、290万円〜427万円。MINIコンバーチブルは、385万円〜538万円。なお、パワートレーンに関しての変更はアナウンスされていません。

塚田 勝弘

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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