■ソフトバンクの5Gネットワーク、「ZENRIN Maps API」を活用
以前からの働き方改革に加えて、リモートワーク、テレワークなど、コロナ禍で働き方が見直されています。
2021年5月25日、日産自動車、大日本印刷(DNP)、ゼンリン、ソフトバンク、クワハラの5社は、車内での移動中に快適にWeb会議ができる「移動会議室」の実証実験を、東京都と神奈川県で行うと発表しました。
この実証実験は、東京と神奈川の一部地域において、2021年6月28日から約3ヵ月間実施されます。
今回の実証実験では「移動時間を有意義に活かす」をコンセプトに掲げ、高級ミニバン「エルグランド」のリヤシートをWeb会議が問題なく行える環境に整えることで、移動しながらの打ち合わせやプレゼンテーションなどをより効果的に実施できるよう検証。
この実証実験により、効率的で安全、安心な働き方の実現につなげたい狙いがあるそう。
使われる車両は、広大なフットスペースを誇る「エルグランドVIP 2列シート」で、後席の前面に大画面(32インチ)のディスプレイを設置するなどのカスタマイズが行われ、会議室に必要な機能が搭載されます。
Web会議用に使用される通信回線は、ソフトバンクによる5Gを含むネットワークをで、快適な通信環境が整えられます。また、前席に会話の内容が漏れないよう、前席と後部座席の間には遮音壁が装備され、秘匿性の高い会議にも安心して利用可能。
会議終了前に目的地に到着した場合は、DNPが開発する専用コミュニケーションツールを使って運転手と連絡をとり、駐停車可能な場所に車両を停めて、会議が終了するまで「移動会議室」が利用できるそう。
なお、このコミュニケーションツール上では、ゼンリンの「ZENRIN Maps API」により、現在の走行位置を住宅地図レベルまで詳細に確認することが可能。
「ZENRIN Maps API」は、道路地図から住宅地図までの地図情報と、それに付随する豊富な属性情報を一気通貫で提供するAPI(Application Programming Interface)です。
同車両の運行サービスは、高級ワンボックスタクシー・ハイヤー事業を展開してきたクワハラにより提供されます。
(塚田 勝弘)