1935年アウトバーン開通。高級ミニバン初代日産エルグランド登場!【今日は何の日?5月19日】

■自動車用内燃機関技術研究組合(AICE)が設立の趣旨を発表

1935(昭和10)年5月19日、ドイツのアウトバーンの第1号路線(フランクフルト-ダルムシュタット間約15km)が開通しました。1933年に発足したナチス政権の国策として進められ、流通の効率化や失業対策、また有事の際に滑走路として使うなどが目的でした。ちなみにヒットラーは、無類のクルマ好きだったそうです。

さて、クルマ界の今日は何があったのでしょう?

AICE(自動車用内燃機関技術研究組合)
AICE(自動車用内燃機関技術研究組合)

2014(平成26)年5月19日、自動車用内燃機関技術研究組合(AICE)が、同組合設立に関する説明会を実施しました。AICEは、内燃機関研究の効率化を目標に、国内自動車メーカー8社と日本自動車研究所によって同年4月1日に設立されました。当時は、電動化とともに高効率エンジンの開発も重要という認識でしたが、現在は予想以上に電動化の流れが強まっているので存在感を示すのが難しくなっているように思います。

また、1997年(平成9)年のこの日、日産から高級ミニバンの初代「エルグランド」が発売されました。

1997年発売のエルグランド
1997年発売のエルグランド
1997年発売のエルグランド(リア)
1997年発売のエルグランド(リア)

1990年代は、RVとともにちょうどミニバンブームに火が付いた頃で、日産がターゲットにしたのはファーストクラスのミニバンでした。上質感と快適性を追求した室内に、2列目は回転対座シート、3列目は横に跳ね上げる方式で様々なシートアレンジに対応。パワートレインは、3.2L ディーゼルターボおよび3.3L V6ガソリンエンジンと4ATの組み合わせ、駆動方式はFRと4WDが用意されました。

1997年発売のエルグランド(内装)
1997年発売のエルグランド(内装)

また装備についても、ナビとTVが楽しめるツインナビゲーションやスーパーサウンドシステム、オゾンセーフフル・オートデュアルエアコンなど高級アイテムがラインナップされました。高級ミニバンという新しいジャンルを開拓したエルグランドは、発売開始から19ヶ月で累計10万台を突破する大ヒットを記録しました。

2002年発売のアルファード
2002年発売のアルファード

ところが2002年にトヨタからライバル車「アルファード」が発売されると、エルグランドは徐々に失速し始めます。FRベースのエルグランドを、FFプラットフォームを利用してさらに上をいく上質な室内空間を持つアルファードが圧倒するようになりました。2008年にアルファードの兄弟車ヴェルファイアが投入されるとその差は一層顕著に。エルグラントも2010年の3代目でFF化して巻き返しを狙いましたが、「時すでに遅し」か以降もアルファードの攻勢に押されていますね。

毎日が何かの記念日。それではまた明日!

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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