■序盤に23号車が脱落! 波乱すぎるS-GT 500kmレース
「2021 AUTOBACS SUPER GT Round2 たかのこのホテル FUJI GT 500km RACE」の決勝レースが5月4日午後に富士スピードウェイで開催されました。500kmのレースは2年ぶりの長丁場となります。
ポールポジションは19号車 WedsSport ADVAN GR Supra。チームとしては5年ぶり、ヨコハマタイヤとしては3年ぶりという快挙のポールポジションとなります。
好天に恵まれた気温は21度まで上昇の富士スピードウェイ。14時30分に500kmのレースがスタートします。
ポールポジションの19号車 WedsSport ADVAN GR Supraはスタートに出遅れ、8号車 ARTA NSX-GTと38号車 ZENT CERUMO GR Supraに先行を許してしまいます。なかでも好スタートだったのが36号車 au TOM’S GR Supraで、 ZENT CERUMO GR Supraも抜いて2周目には2番手となっています。
トップはARTA NSX-GTで、WedsSport ADVAN GR Supraは6番手まで後退。
そして2周目を終えたストレートエンドで23号車が突如白煙を上げて、そのまま第1コーナーであるTGRコーナーの先でマシンを止め、エンジントラブルでリタイア。
この回収作業でセーフティカー(SC)が導入されます。7周目の再スタートで au TOM’S GR SupraがARTA NSX-GTをTGRコーナー立ち上がりで抜きトップに躍り出ます。その後ろではZENT CERUMO GR Supraをかわした14号車 ENEOS X PRIME GR Supraが3番手に登ってきました。
その後ZENT CERUMO GR Supraは31周目の最終パナソニックコーナーで左リアタイヤが外れるトラブル発生。このままピットインしますがハブごと外れてしまったのか、タイヤを取り付けられずリタイアしてしまいます。
またコース上に転がったタイヤの回収のため、初のフルコースイエロー(FCY)が提示されました。FCYが提示されるとピットの入り口が閉鎖状態となりますがピットの出口は閉鎖されません。このピット入り口閉鎖直前のタイミングで最初のピットインを行ったのは、17号車 Astemo NSX-GT。速やかにドライバー交代をしてコースに復帰します。
またクラス最後尾スタートから追い上げていた1号車 STANLEY NSX-GTも牧野任祐選手に交代します。
FCYの後に各チームの1回目のピットインが終わると、トップを行くのはAstemo NSX-GT。2番手に au TOM’S GR Supra、ENEOS X PRIME GR Supra、ARTA NSX-GT、STANLEY NSX-GT。STANLEY NSX-GTは最後尾から10台抜きでこの位置までやってきました。
●ペナルティ! トラブル! 上位陣が消えていく
68周目に2度目のピットインをしたAstemo NSX-GTはピット作業で大きくタイムロス。各チームの2度目のピットインが終わると、Astemo NSX-GTとARTA NSX-GTが横並びのドッグファイトによるトップ争いを繰り広げ、ARTA NSX-GTが前に出ます。さらにau TOM’S GR Supraも抜かれ3番手となってしまいます。
トップARTA NSX-GT、そしてau TOM’S GR Supra、Astemo NSX-GTが1秒ずつの間隔で続いていく96周目に3度目のFCYとなります。
そして98周目にFCYは解除されますが、トップARTA NSX-GTに勝負を仕掛けるはずのau TOM’S GR SupraがスローダウンでTGRコーナー立ち上がりでストップ。さらにARTA NSX-GTの福住仁嶺選手がFCY直前に追い越しをしたためドライブスルーペナルティとなり勝負権を失います。
これでトップとなったAstemo NSX-GTですが、その直後にはENEOS X PRIME GR Supraが迫ります。
ブロックするAstemo NSX-GTに何とか鼻先でもねじ込もうとする山下健太選手。しかしAstemo NSX-GTの塚越広大選手も粘ります。この接戦の2台に1秒差で、37号車 KeePer TOM’S GR SupraとSTANLEY NSX-GTの2台も接戦。3位争いは昨年の最終戦の因縁の2台とも言えます。
そして、この猛攻を何とかしのぎきったAstemo NSX-GTが昨年の第4戦もてぎ以来の優勝。
2位にはENEOS X PRIME GR Supraで2戦連続の表彰台とし、ドライバーランキングの首位も守ります。3位はKeePer TOM’S GR Supraが表彰台に上ります。
次戦の鈴鹿はコロナ禍の影響により延期となりましたが、これ以降も熱い戦いはまだまだ続いていきそうです。
(写真:吉見 幸夫・松永 和浩/文:松永 和浩)