■定番バンコンと日本を代表する家具メーカーとのコラボモデル
コロナ禍で「密」を避ける旅行やリモートワークなどが注目されている中、最高の相棒としてキャンピングカーへの注目度が高まっています。
日本RV協会がキャンピングカーのユーザー、あるいは興味を持っている人を対象に行ったアンケートで、その用途を聞いています。「旅行やキャンプ」「新たなリビングスペース」「通勤、テレワーク」の順で回答が多かったそう。
用途はひとつだけではなく、複数の目的を兼ねているケースも多いでしょう。キャンピングカーブームが続いている中、ユーザーの目も年々肥えていて、個性的なモデルが増えている印象を受けます。
2021年4月2日から4日まで幕張メッセで開催された「ジャパンキャンピングカーショー2021」で取材した注目モデルをお届けしていきます。
大手ビルダーのトイファクトリーが出展した「BADEN karimoku version(バーデン・カリモクバージョン)」は、同社の定番モデル「バーデン」をベースに、愛知県の有名な家具メーカーであるカリモク家具とのコラボモデル。余談ですが、トイファクトリーの藤井社長は、地上波の某有名ドキュメンタリー番組に出演し、業界で話題を集めています。
さて、今回のコラボは第2弾で、2019年に発売された限定仕様の「BADENKarimoku ver.」は、発売後時間を経たずに完売になり、大きな反響を呼んだそう。
今回もカリモク家具らしい天然素材へのこだわりやぬくもりが感じられる架装になっています。装備品の素材には、ナラ材(オーク)が主に使われていて、高い温度環境にさらされる自動車用家具として多くのテストを実施し、耐久性が担保された素材が使用されています。
曲線を基調とした収納などの家具は、エッジや張り出しをできるだけ抑えて、車内でも安らぎを得られる丸みをおびた設計になっているのも特徴です。上部収納の持ち手に握りやすいエルゴノミックデザインが使われているのも目を惹きます。
優しい印象を受ける家具の色合いは、ブラウン&ナチュラルの2トーンで、キャビンに明るさと開放感をもたらしています。こだわりのポイントが、家具製作時の接着剤や塗料には人体に影響の少ない最高クラスの「F☆☆☆☆(JIS・JAS 規格)」が使われている点で、住宅よりも密接に家具に触れるキャンピングカーならではの配慮がされています。
さらに、シートやベッドのファブリックには、肌さわりが良く、耐久性に優れる生地が使われています。シートカラーは、優しい色使いの「トパーズイエロー」と、シックで落ち着いた空間を醸し出す「サファイアネイビー」の2色を設定。
ベース車は、全長5380mm×全幅1920mm×全高2285mmのトヨタ・ハイエース・スーパーロング(キャンパー特装車)。エンジンは、展示車両の2.7Lガソリンのほか、2.8Lディーゼルを設定。乗車定員は7名、就寝人数は5人となっています。
価格は2.7Lガソリンの2WDが754万円、4WDが787万円。2.8Lディーゼルの2WDが807万円、4WDが840万円。なお、展示車両には、標準装備としてリヤクーラー、給排水タンク、トリプル断熱、サブバッテリー、冷蔵庫、走行充電、外部充電、FFヒーター、調理器具、上部収納、遮光カーテン、常設ベッド、ステレスシンクなどを用意。
さらに、サイドオーニング、インバーター、リヤヒーター、MAXファン、クールコンプなどのオプションが加わり、展示車両価格は917万7900円となっています。
(文・写真:塚田 勝弘)