トヨタ・ヤリスに「全車速追従機能」を加えたレーダークルーズコントロール、緊急時操舵支援機能などを追加

■先進安全装備のアップデートで商品力を向上

2020年度(2020年4月~2021年3月)の新車販売(搭載車、軽自動車込み)でトヨタ・ヤリスがトップに輝いています。搭載車がトップになるのは、2016年のトヨタ・プリウス以来。なお、2020年暦年では、ホンダN-BOXが4年連続1位になっています(軽自動車では6年連続)。

トヨタ ヤリス
2021年5月10日に一部改良を受けたトヨタ・ヤリス

トヨタらしい高い静粛性や乗り心地の良さ、低燃費などの完成度の高さが光るだけでなく、戦略的な価格設定も人気の理由といえそうです。筆者が街中で比較的よく見かけるヤリスは「わ」ナンバーなどのフリート向け、ビジネス向けも多い印象もありますが、好調なセールスを維持しているのは間違いなさそうです。

そのヤリスが2021年5月10日に一部改良を受けました。

トヨタ ヤリス
急アクセル時加速抑制の「プラスサポート」をディーラーオプション設定

主なトピックスは、先進安全装備のアップデート。車両停止状態まで前走車の追従が可能な「全車速追従機能」を加えたレーダークルーズコントロールをハイブリッド車とガソリン車(1.5L/CVT)に標準装備されたのをはじめ、「プリクラッシュセーフティ」に緊急時操舵支援機能が追加されています。

なお、ヤリスは手動式のサイドブレーキを採用することもあり、全車速追従機能付レーダークルーズコントロールに停止保持機能は付きません。

緊急時操舵支援機能は、ドライバーによる回避操舵をきっかけに操舵と車線逸脱抑制をサポートする機能です。また、「インテリジェントクリアランスソナー」が「HYBRID Z」「Z(MT車を除く)」に標準化され、「バックガイドモニター」が「Z」と「G」に標準装備されています。

さらに、ペダルの踏み間違いによる急加速を抑制する「プラスサポート」の採用(販売店装着オプション)も注目。「プラスサポート」は急アクセル時加速抑制で、トヨタ純正用品の専用キーが必要になります。

また、コロナ禍でうれしいのが、ウイルスや菌の抑制に効果があるOHラジカルを含む微粒子イオンを「ナノイー」の10倍量放出する「ナノイーX」の採用。運転席側エアコン吹き出し口に設置され、「HYBRID Z」と「Z」に標準化、「HYBRID G」と「G」にオプション設定されています。こちらは、カーシェアリングなどとしてもよく見かけるようになったヤリスのニーズにマッチしていそうです。

トヨタ ヤリス
「プラスサポート」にはトヨタ純正用品の専用キーが必要になる

ほかにも、乗車前にエアコンなどの操作が可能なリモートスタート(アプリ)が「T-Connectサービス」に用意。一部改良を受けたトヨタ・ヤリスの価格帯は、139万5000円~252万2000円となっています。

塚田 勝弘

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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