■86とBRZでは中古車の流通台数で大きな差がある!
新型が公開されたタイミングで、初代86とBRZの中古車相場はどのような動きとなっているのかをチェック、中古車として購入するなら86とBRZどちらがお買い得なのかを検証してみました。
まずは86とBRZそれぞれの中古車事情を見てみましょう。86の中古車の流通台数は約9年というロングセラーモデルらしく、約1090台と非常に豊富です。しかも流通台数は現在右肩上がりに増えています。
86の中古車の平均価格は3ヵ月前の2021年1月時点では約210万円でしたが、現在は約206万円と4万円の値落ち幅を記録。価格帯の最安値は100万円を切って約90万~約745万円と非常に幅広くなっているのが特長です。
一方のBRZですが、中古車の流通台数は約311台と86の3分の1に留まっています。3ヵ月前もほぼ同じ水準でしたが、需要期の3月には約290台まで減少していたので、現在は増加傾向となっています。
BRZの中古車の平均価格は約190万円で、3ヵ月前の時点では約197万円でしたので、86を上回る7万円の値落ち幅を記録しています。そして中古車の価格帯は約109万~約389万円で、86に比べて最高値は低く抑えられていますが、最安値は100万円を切ってないという特徴があります。
なぜ、ほぼ同じスペックの86とBRZなのに中古車の最高値がこれだけ違うかというと、理由は、86には14Rや14R-60、GRMNといった新車時価格の高いコンプリートカーに加えて、最終バージョンといえる86台限定のブラックリミテッドなどの特別仕様車が多く販売されているからです。
しかし車両本体価格200万円以下に絞って検索すると、86は約537台で約49.2%。一方BRZは約189台で約60.7%と低価格の中古車の比率はBRZのほうが高くなっています。しかもミッションはBRZのMT車が約95台、AT車が94台とほぼイーブンに対して、86はMT車約39.3%、AT車60.4%とAT車の方が多いのが特長です。
したがって、200万円以下で86/BRZの中古車を探すのであれば、BRZのほうが探しやすいかもしれません。BRZの200万円以下中古車のグレード構成は圧倒的に2.0Sが多く、続いて2.0R。わずかに1台だけブレンボ製のブレーキを装着したGTも見つけることができます。
新型が公開され、今後は値落ちが進むことが考えられますが、低価格の中古車はすぐに売れてしまい相場は反発する可能性もあります。86/BRZのようなスポーツカーの中古車はコンディションのバラツキが大きいので、購入時には走行距離や修復歴だけでなく、整備点検記録簿で前オーナーの使い方やメンテナンスの頻度をチェックしてから手に入れてください。
(文・写真:萩原文博)