スズキの「市販最速バイク」がいよいよ日本へ! 新型「ハヤブサ」は欧州と同スペックで4月7日発売

■全18パターンからボディカラーが選べる

かつて市販量産車で初めて300km/hをマークしたことから、「市販最速」の伝説を作ったスズキの2輪フラッグシップ「ハヤブサ」。その2021年最新モデルとなる3代目は、すでに欧州や北米で販売が開始されていますが、いよいよ日本でも4月7日(水)より発売されることが正式に決定しました!

しかも、最高出力なども欧州と同じフルパワー仕様で販売、全18パターンからボディカラーが選べる「カラーオーダープラン」なども導入されることも分かりました。

●国内仕様は約2年ぶりに登場

ハヤブサは、スズキが「Ultimate Sport(究極のスポーツバイク)」というコンセプトで開発した1300ccのスポーツモデルです。1999年に初代モデル、2007年に2代目モデルが発売され、いずれも高い空力特性を持つ独特のデザインや優れた走行性能で、世界中に多くのファンを持つスズキのフラッグシップです。

新型「ハヤブサ」は欧州と同スペックで4月7日発売
新型ハヤブサ、銀/赤カラーのフロントビュー

ハヤブサの名前を特に有名にしたのが、前述の通り初代モデルが完全ストック状態で市販量産車で初の300km/hを記録したことです。

新型「ハヤブサ」は欧州と同スペックで4月7日発売
ハヤブサ初代モデル

当時の大排気量バイクは、各メーカー間における最高速競争が過熱していた頃で、カワサキの「ZZ-R1100」やホンダの「CBR1100XXスーパーブラックバード」など、いずれも最高速度300km/hを謳ったモデルが人気でした。

そんな中で、ハヤブサはバックミラーまで装着した状態で、300km/h超えを達成。以降、その名は世界中に広まり、「メガスポーツ」というジャンルを作り上げた伝説のマシンです。

初代モデルは海外専用車だったため、日本で乗れるのは逆輸入車のみでした。それでも多くのユーザーがハヤブサを購入、数多くのオーナーズクラブなどが設立されました。

スズキは、そんな日本のファンの熱い想いに応えるため、2014年に2代目モデルの国内仕様を発売。ところが、厳しくなった欧州の新排ガス規制への対応などにより、国内外でいまだに多くのファンを持ちながらも、2019年には生産が一旦終了となってしまいました。

●最高出力190psと最新の電子制御

そして、ファン待望の3代目がいよいよ登場。約13年ぶりの全面刷新を受けた新型は、初代から続く個性的なフォルムを継承しつつも、高い空力性能や優れた走行性能をさらに進化させています。

新型「ハヤブサ」は欧州と同スペックで4月7日発売
新型ハヤブサの黒/金カラー

ボディサイズは、全長2180mm×全幅735mm×全高1165mm、ホイールベース1480mm。サイズ感は2代目とほぼ同等ですが、全長で10mm、全幅と全高が各5mm短くなり、多少のコンパクト化も計られています。

ボディデザインは、ひと目でハヤブサとわかる曲面を多用しながらも、よりシャープなイメージのフォルムとなっています。特にフロントフェイスは、走行風を取り入れることでパワーを増大するラムエアシステムのダクト(吸気口)形状を一新。2代目がラウンド状だったのに対し、エッジが効いた形状となり、より「イカツさ」をアップさせています。

新型「ハヤブサ」は欧州と同スペックで4月7日発売
新型ハヤブサ、白/青カラーのフロントビュー

注目のパワートレインは、先代と同様の1340cc・直列4気筒を搭載。最高出力は140kW(約190ps)/9700rpm、最大トルク150Nm(15.3kgf-m)/7000rpmを発揮します。前述の通り、このスペックは国内仕様と欧州仕様とで同じ。日本でも、文字通りフルパワー仕様が乗れるのです。

パワー自体は、2代目が最高出力145kW(約197ps)/9700rpm・最大トルク155Nm(15.8kgf-m)/7200rpmでしたから、新型はやや出力が抑えられています。これは、欧州で2020年より新型の二輪車を対象に導入されている新しい排ガス規制「ユーロ5」に対応させるためでしょう。その代わり、新型には先代になかった様々な最新テクノロジーが採用されています。

特に注目は電子制御システムの大幅な進化です。新たにS.I.R.S.(スズキ インテリジェント ライド システム)を搭載しています。主な内容は、SDMS-α(スズキ ドライブ モード セレクター アルファ)の採用。これは、

・モーショントラックトラクションコントロール(10モード)
・パワーモードセレクター(3モード)
・双方向クイックシフトシステム(2モード)
・アンチリフトコントロール(10モード)
・エンジンブレーキコントロール(3モード)

といった5つの制御を設定パターンから選択できるシステム。これらにより、街乗りからツーリング、サーキットまでの様々な走行シーンやユーザーの好み、テクニックなどに応じた、多様なセッティングが可能となっています。

また、スロットルを回さなくても一定の設定速度で走行するクルーズコントロールシステムも搭載され、長距離走行での快適性も向上。さらに、国内仕様ではETC2.0車載器を標準装備することで、ツーリングなどでの高い利便性も向上させています。

●標準色をベースにカラーを変更可能

スズキで初めて導入した「カラーオーダープラン」もトピックスのひとつです。これは、

・黒/金(グラススパークルブラック/キャンディバーントゴールド)
・銀/赤(マットソードシルバーメタリック/キャンディダーリングレッド)
・白/青(ブリリアントホワイト/マットステラブルーメタリック)

といった3色の標準車体色に加え、それぞれのカラーをベースに外装カウル3色、外装アクセントカラー3色、ホイール2色を組み合わせることができるプランです。これにより、標準車体色3色を含む全18パターンの組み合わせが可能となります(標準車体色以外は受注生産)。

新型「ハヤブサ」は欧州と同スペックで4月7日発売
カラーオーダープランの組み合わせ(標準色が黒/金ベースの場合)

価格(税込)は、黒/金と白/青が215万6000円、銀/赤が216万7000円。カラーオーダープランを利用する場合は、黒または白ベースが221万1000円、銀ベースが222万2000円です。

全国の「ハヤブサ取扱店(スズキ二輪と契約している全国のスズキバイクショップ店。2021年3月19日現在で647店)」で販売されます。

ちなみに、カラーオーダープランで組み合わせたイメージ画像などは、スズキ公式ホームページ内の「Hayabusaスペシャルサイト」で確認が可能です。また、ウェブ上で現在開催中の「スズキWEBモーターサイクルショー2021」では、ハヤブサの開発者インタビューや走行映像なども楽しめます。

(文:平塚直樹/写真:スズキ)

【関連リンク】

Hayabusaスペシャルサイト
https://www1.suzuki.co.jp/motor/hayabusa-sp/

スズキWEBモーターサイクルショー2021
https://www1.suzuki.co.jp/motor/web-mcs2021/

この記事の著者

平塚 直樹 近影

平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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