おしゃれで乗りやすい、ストリートバイクの理想形!【ファンティック キャバレロスクランブラー250・概要編】

■ファンティックはイタリアの名門コンストラクター

ファンティックの名を聞いて「ああ、あれね!」とピンとくる日本人ライダーはそれほど多くないかもしれません。

キャバレロスクランブラー250
工芸品のように美しい全長2166mm、全高1135mmのボディは、125cc、250cc、500ccの全車共通。250ccの車両重量は140kg。125ccなら130kg、500ccなら150kgです。

ファンティックは、1968年にイタリア、ロンバルディア州のバルザゴで創業された名門モーターサイクル・メーカーです。しかし1995年に工場を閉鎖し、2005年まで生産を止めていたことや、おもにモトクロスやトライアル競技で実績を積んできたメーカーだったことから、日本ではオフロードライダー以外にはあまりその名を知られていないブランドだといえそうです。

●キャバレロはファンティックの代名詞

キャバレロスクランブラー250
1969年のミラノショーでデビューし、イタリアの若きモトチクリスタたちの羨望を集めたキャバレロは、その後もファンティックの歴史とともに歩み続けてきたマシンです。

ファンティックのバイクのなかでもキャバレロは同社を代表する車種。その名は創業期から現在まで、ずっと変わらず引き継がれています。

当初、50ccエンジンを積んだ小さなマシンだった初期型キャバレロは、現在では125cc、250cc、500ccという排気量バリエーションを持ち、スクランブラー3車種+バリエーションモデル1車種、フラットトラック3車種、ラリー1車種をラインナップするファミリーにまで成長しました。

●スクランブラーというスタイル

キャバレロスクランブラー250
スクランブラーは、もともとオンロードバイクをベースに作られたオフロード兼用バイク。舗装路を快適に走れるのはもちろん、悪路をものともしない健脚を誇る万能選手です。

ところで「スクランブラー」というカテゴリーには、あまりなじみのない人もいるかもしれませんね。

ざっくりいえばスクランブラーは、オンロードとオフロードの中間的なモデル。本格的なオフロードバイクが普及する以前には、オンロードモデルのタイヤやサスペンション、マフラーなどを改良して、オフロードを走れるように仕立てることがよくありました。

そのようにして作られたマシンがスクランブラーと呼ばれるもの。いってみれば、現在の本格派オフロードバイクのご先祖様みたいなものですね。

キャバレロスクランブラー250
オンロードベースのスクランブラーはナチュラルで軽やかな乗り味が特徴。街によく似合うファッショナブルなマシンが多いのも、見逃せない最近のトレンドです。

近年ではそのレトロなイメージが受けて、各メーカーから「スクランブラー」を名乗るおしゃれなモデルが数多く登場し、ちょっとしたブームにもなっています。

スクランブラーは、オンロードにもオフロードにも特化していない分どんなフィールドでも走ることができ、どんなシーンにも似合うのがウリ。野山から路地裏、街のメインストリート、高速道路まで、暮らしの中であらゆる道を走るストリートバイクの一つの理想形ともいえますね。

●3つの排気量をもつキャバレロ スクランブラー

キャバレロスクランブラー250
共通ボディに排気量の違うエンジンを積んでバリエーションを生み出す手法は、堅牢・軽量なボディがあるからこそ成り立ちます。
キャバレロスクランブラー250
いかにもイタリアンらしい真っ赤なタンクがキャバレロ スクランブラーの目印。華やかなゴールドの倒立フォークとのマッチングもばっちりですね。

キャバレロ スクランブラーは、2017年のミラノショーで発表された、ファンティックの最新鋭スクランブラーです。125cc、250cc、500ccの3つの排気量がありますが、どのエンジンも、すべて水冷4ストロークSOHC4バルブ単気筒。

車両コンポーネントも基本的には全車共通で、排気量とパワー、重量が違うほかは、ほとんど同じマシンだと考えていいでしょう。

キャバレロスクランブラー250
京都市山科区のバイクショップ「バックカントリーモーターサイクル」ではキャバレロスクランブラー250の試乗車を用意しています。


【ファンティック キャバレロスクランブラー250 主要諸元】
全長×全幅×全高:2166mm×820mm×1135mm
シート高:820mm
エンジン種類:水冷4ストロークSOHC4バルブ単気筒
総排気量:249.6cc
最高出力/最大トルク:25kW/22N・m
燃料タンク容量:12L
タイヤ(前・後):110/80-19・130/80-17
ブレーキ:前後油圧式シングルディスクブレーキ(ABS)
メーカー希望小売価格:91万円(税込)

(写真:高橋 克也/文:村上 菜つみ)

【関連リンク】

キャバレロスクランブラー Official Site
https://caballero.jp/scrambler

バックカントリーモーターサイクル Official Facebook
https://www.facebook.com/BackcountryMotorcycle/

★村上菜つみさんがファンティック・キャバレロスクランブラー250で出かけたツーリング記事は、月刊誌「モトチャンプ」2021年4月号(3月6日発売)に掲載されています。

モトチャンプ2021年4月号

この記事の著者

村上菜つみ 近影

村上菜つみ

福岡出身・東京在住のモデル&モータージャーナリスト。ツーリング雑誌での編集経験を経て独立し、二輪・四輪問わず幅広い分野で執筆中。「月刊モトチャンプ」連載中の「ぶらり二輪散歩」で使用したバイクのインプレッションを毎月6日(モトチャンプ発売日)に公開する他、乗り物関連の展示を紹介する「村上菜つみのミュージアム探訪」をシリーズ連載しています。
愛車はホンダ・モビリオスパイク&ホンダ・VTRです。
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