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■ファンティックはイタリアの名門コンストラクター
ファンティックの名を聞いて「ああ、あれね!」とピンとくる日本人ライダーはそれほど多くないかもしれません。
ファンティックは、1968年にイタリア、ロンバルディア州のバルザゴで創業された名門モーターサイクル・メーカーです。しかし1995年に工場を閉鎖し、2005年まで生産を止めていたことや、おもにモトクロスやトライアル競技で実績を積んできたメーカーだったことから、日本ではオフロードライダー以外にはあまりその名を知られていないブランドだといえそうです。
●キャバレロはファンティックの代名詞
ファンティックのバイクのなかでもキャバレロは同社を代表する車種。その名は創業期から現在まで、ずっと変わらず引き継がれています。
当初、50ccエンジンを積んだ小さなマシンだった初期型キャバレロは、現在では125cc、250cc、500ccという排気量バリエーションを持ち、スクランブラー3車種+バリエーションモデル1車種、フラットトラック3車種、ラリー1車種をラインナップするファミリーにまで成長しました。
●スクランブラーというスタイル
ところで「スクランブラー」というカテゴリーには、あまりなじみのない人もいるかもしれませんね。
ざっくりいえばスクランブラーは、オンロードとオフロードの中間的なモデル。本格的なオフロードバイクが普及する以前には、オンロードモデルのタイヤやサスペンション、マフラーなどを改良して、オフロードを走れるように仕立てることがよくありました。
そのようにして作られたマシンがスクランブラーと呼ばれるもの。いってみれば、現在の本格派オフロードバイクのご先祖様みたいなものですね。
近年ではそのレトロなイメージが受けて、各メーカーから「スクランブラー」を名乗るおしゃれなモデルが数多く登場し、ちょっとしたブームにもなっています。
スクランブラーは、オンロードにもオフロードにも特化していない分どんなフィールドでも走ることができ、どんなシーンにも似合うのがウリ。野山から路地裏、街のメインストリート、高速道路まで、暮らしの中であらゆる道を走るストリートバイクの一つの理想形ともいえますね。
●3つの排気量をもつキャバレロ スクランブラー
キャバレロ スクランブラーは、2017年のミラノショーで発表された、ファンティックの最新鋭スクランブラーです。125cc、250cc、500ccの3つの排気量がありますが、どのエンジンも、すべて水冷4ストロークSOHC4バルブ単気筒。
車両コンポーネントも基本的には全車共通で、排気量とパワー、重量が違うほかは、ほとんど同じマシンだと考えていいでしょう。
【ファンティック キャバレロスクランブラー250 主要諸元】
全長×全幅×全高:2166mm×820mm×1135mm
シート高:820mm
エンジン種類:水冷4ストロークSOHC4バルブ単気筒
総排気量:249.6cc
最高出力/最大トルク:25kW/22N・m
燃料タンク容量:12L
タイヤ(前・後):110/80-19・130/80-17
ブレーキ:前後油圧式シングルディスクブレーキ(ABS)
メーカー希望小売価格:91万円(税込)
(写真:高橋 克也/文:村上 菜つみ)
【関連リンク】
キャバレロスクランブラー Official Site
https://caballero.jp/scrambler
バックカントリーモーターサイクル Official Facebook
https://www.facebook.com/BackcountryMotorcycle/
★村上菜つみさんがファンティック・キャバレロスクランブラー250で出かけたツーリング記事は、月刊誌「モトチャンプ」2021年4月号(3月6日発売)に掲載されています。