■室内の浮遊ウイルスを約21分で99%低減
ダイハツは2021年2月25日、紫外線による除菌装置「ULTRABUSTER(ウルトラバスター)」を開発し、医療機関などへの無償貸与を開始したと発表しました。新型コロナウイルスへの対応として自動車メーカー各社は、患者輸送のための車両開発をはじめ、マスクやフェイスシールドの開発、生産などにも取り組んでいます。
「ULTRABUSTER(ウルトラバスター)」は、2020年春頃からダイハツの「くらしとクルマの研究所」において開発が行われてきたそう。同年の秋頃から近隣の医療機関や社内診療所などで実証実験を行い、3月までに250台程度を近隣医療機関などに無償貸与されます。
このULTRABUSTER(ウルトラバスター)は、室内の空気を強力に吸い込み、筐体内に格納された6本の紫外線ランプの照射によって除菌する装置になります。試験を行ったのは、北里環境科学センターで、25㎥の試験空間で浮遊ウイルス数の変化を測定。試験結果は、約11分後に90%減少、21分後に99%減少を確認。
ただしこれは新型コロナウイルスに対しての試験ではなく、また、実使用空間での実証効果ではありません。使用環境、部屋の条件により効果は異なります。
同社は、「ULTRABUSTER(ウルトラバスター)」の無償貸与により、最前線の医療現場で奮闘する医療従事者をサポートしていくと表明しています。医療機関でなくてもこうした装置の需要は多くありそうですが、市販化や車載対応などについては言及されていません。
(塚田勝弘)