新型 ベンツ Cクラス発表! 全車4気筒ハイブリッドでサルーンとエステートの全長が同じに

■ルックスはいかにもメルセデス・ベンツという安心のニューモデル。電動化を進めるDセグメントの新スタンダード

コンパクトなハッチバックからSUV、そしてスポーツモデルまで、それぞれ大中小と幅広いラインナップを誇るメルセデス・ベンツですが、その王道ともいえるのはやはり後輪駆動のセダンでしょうか。

全車がハイブリッドとなった新型Cクラス。空力にもこだわりCd値はサルーンが0.24、エステートが0.27と上々

そんな後輪駆動セダンのエントリーモデルとして、日本でもファンの多いCクラスがフルモデルチェンジを発表しました。まずフォトデビューを果たしたのは、メルセデス・ベンツではサルーン(4ドアセダン)とエステート(ステーションワゴン)と呼んでいるバリエーションです。

スタイリングは、いかにもメルセデス・ベンツらしい威風堂々かつスポーティなもので、まさにオーソドックスなDセグメントモデルとしてふさわしいルックス。その中身もフロントにエンジンを縦置きにするFRレイアウトを採用しているのも、世界的にFFが主流の中でファンはホッとするポイントではないでしょうか。

新型Cクラスのサルーン(4ドアセダン)のボディサイズは全長4751mm・全幅1820mm・全高1438mm。ホイールベースは2865mm

ただし、電動化の波はCクラスにも影響しています。コンセプトのひとつとして「エレクトリック・ファースト」ストラテジーを掲げているのですが、新型Cクラスのパワートレインは全車がハイブリッドとなっています。

エンジンはガソリンターボとディーゼルターボが用意されますが、いずれも4気筒のみ。48Vのインテグレーテッドスタータージェネレーター(ISG)を使ったマイルドハイブリッドが基本です。また、EV航続距離100kmというプラグインハイブリッドも用意されているとアナウンスされています。

新型Cクラスのエンジンはすべて4気筒。ガソリンターボとディーゼルターボをラインナップする

ローンチ段階でラインナップされるグレードは、C180、C200、C200 4MATIC、C300、C300 4MATIC、C220d、C300dと発表されました。

それぞれエンジンスペックが異なり、C180は最高出力125kWの1.5Lガソリンターボ、C200とC200 4MATICは150kWの1.5Lガソリンターボ、C300とC300 4MATICは190kWの2.0Lガソリンターボを搭載します。名前の最後にdがつくのは2.0Lディーゼルターボ搭載車で、C220dは147kW、C300dは195kWのスペックとなっています。

いずれもトランスミッションは9速ATの「9G トロニック」、ISGのスペックは最高出力15kWと発表されています。

新型Cクラスには四輪操舵を採用しているのもトピックス。後輪の最大舵角は2.5度と発表されている

こうしてみると、これまでのパワートレインにISGを加えただけにも見えますが、ディーゼルエンジンはクランクシャフトを新設計することでストロークを94.3mmへと伸ばし(従来は92.3mm)、排気量は1950ccから1992ccへと増やしている進化版となっているのも見逃せないところでしょう。

燃費性能については、C180が7.2-6.2L/100km、C200が7.2-6.3L/100km、C200 4MATICが7.6-6.6L/100km、C300が7.4-6.6L/100km、C300 4MATICがが7.9-7.0L/100km、C220dが5.6-4.9L/100km、C300dは5.6-5.0L/100kmと発表されています(WLTPモード値)。

メーターパネルも大型液晶となったコクピットは、まるでSクラスのよう。メーターパネルは10.25インチ、12.3インチの2種類を設定。センターディスプレイも9.5インチ、11.9インチの2種類を用意する

パフォーマンスの指標となる0‐100km/h加速は、C300が6.0秒、C300dが5.7秒。ディーゼルターボがパフォーマンスをリードしていますが、新ディーゼルターボの最大トルクは550Nmと聞けば、それも納得です。

さらに、モーターの200Nmというトルクを加えることができるといいます。ハイブリッドとなっても、メルセデス・ベンツらしい走行性能を持っていることは間違いないといえそうです。

インテリアでは、ドライバーを中心に据えたというデザインを採用しているのが新型Cクラスのアピールポイント。インパネ中央の大きなインフォテイメント用ディスプレイは6度ほどドライバー側に傾けられ、視認性を向上させています。

ステアリングホイールの奥にみえるメーターパネルもフル液晶となり、任意で3つのモードに表示を切り替えることが可能になっているということです。

新型Cクラスサルーンのボディサイズは全長4751mm(先代比+65mm)・全幅1820mm(同+10mm)・全高1438mm(同-9mm)でホイールベース2865mm(同+25mm)。エステートは全長4751mm(同+49mm)・全幅1820mm(同+10mm)・全高1455mm(同-7mm)・ホイールベース2865mm(同+25mm)。

先代モデルではエステートのほうが全長が長くなっていましたが、新型Cクラスにおいては全高以外はサルーンとエステートは同じディメンションとなっています。つまりサルーンの伸びやかさが増したというわけです。

(山本 晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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