■ルックスはいかにもメルセデス・ベンツという安心のニューモデル。電動化を進めるDセグメントの新スタンダード
コンパクトなハッチバックからSUV、そしてスポーツモデルまで、それぞれ大中小と幅広いラインナップを誇るメルセデス・ベンツですが、その王道ともいえるのはやはり後輪駆動のセダンでしょうか。
そんな後輪駆動セダンのエントリーモデルとして、日本でもファンの多いCクラスがフルモデルチェンジを発表しました。まずフォトデビューを果たしたのは、メルセデス・ベンツではサルーン(4ドアセダン)とエステート(ステーションワゴン)と呼んでいるバリエーションです。
スタイリングは、いかにもメルセデス・ベンツらしい威風堂々かつスポーティなもので、まさにオーソドックスなDセグメントモデルとしてふさわしいルックス。その中身もフロントにエンジンを縦置きにするFRレイアウトを採用しているのも、世界的にFFが主流の中でファンはホッとするポイントではないでしょうか。
ただし、電動化の波はCクラスにも影響しています。コンセプトのひとつとして「エレクトリック・ファースト」ストラテジーを掲げているのですが、新型Cクラスのパワートレインは全車がハイブリッドとなっています。
エンジンはガソリンターボとディーゼルターボが用意されますが、いずれも4気筒のみ。48Vのインテグレーテッドスタータージェネレーター(ISG)を使ったマイルドハイブリッドが基本です。また、EV航続距離100kmというプラグインハイブリッドも用意されているとアナウンスされています。
ローンチ段階でラインナップされるグレードは、C180、C200、C200 4MATIC、C300、C300 4MATIC、C220d、C300dと発表されました。
それぞれエンジンスペックが異なり、C180は最高出力125kWの1.5Lガソリンターボ、C200とC200 4MATICは150kWの1.5Lガソリンターボ、C300とC300 4MATICは190kWの2.0Lガソリンターボを搭載します。名前の最後にdがつくのは2.0Lディーゼルターボ搭載車で、C220dは147kW、C300dは195kWのスペックとなっています。
いずれもトランスミッションは9速ATの「9G トロニック」、ISGのスペックは最高出力15kWと発表されています。
こうしてみると、これまでのパワートレインにISGを加えただけにも見えますが、ディーゼルエンジンはクランクシャフトを新設計することでストロークを94.3mmへと伸ばし(従来は92.3mm)、排気量は1950ccから1992ccへと増やしている進化版となっているのも見逃せないところでしょう。
燃費性能については、C180が7.2-6.2L/100km、C200が7.2-6.3L/100km、C200 4MATICが7.6-6.6L/100km、C300が7.4-6.6L/100km、C300 4MATICがが7.9-7.0L/100km、C220dが5.6-4.9L/100km、C300dは5.6-5.0L/100kmと発表されています(WLTPモード値)。
パフォーマンスの指標となる0‐100km/h加速は、C300が6.0秒、C300dが5.7秒。ディーゼルターボがパフォーマンスをリードしていますが、新ディーゼルターボの最大トルクは550Nmと聞けば、それも納得です。
さらに、モーターの200Nmというトルクを加えることができるといいます。ハイブリッドとなっても、メルセデス・ベンツらしい走行性能を持っていることは間違いないといえそうです。
インテリアでは、ドライバーを中心に据えたというデザインを採用しているのが新型Cクラスのアピールポイント。インパネ中央の大きなインフォテイメント用ディスプレイは6度ほどドライバー側に傾けられ、視認性を向上させています。
ステアリングホイールの奥にみえるメーターパネルもフル液晶となり、任意で3つのモードに表示を切り替えることが可能になっているということです。
新型Cクラスサルーンのボディサイズは全長4751mm(先代比+65mm)・全幅1820mm(同+10mm)・全高1438mm(同-9mm)でホイールベース2865mm(同+25mm)。エステートは全長4751mm(同+49mm)・全幅1820mm(同+10mm)・全高1455mm(同-7mm)・ホイールベース2865mm(同+25mm)。
先代モデルではエステートのほうが全長が長くなっていましたが、新型Cクラスにおいては全高以外はサルーンとエステートは同じディメンションとなっています。つまりサルーンの伸びやかさが増したというわけです。
(山本 晋也)