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■日本RV協会の調査で分かった、キャンピングカーへの期待や使い方
新型コロナ禍により、移動の自粛や「密」を避けることが求められている昨今。日本RV協会では、キャンピングカーを所有しているユーザー、またはキャンピングカーに興味を持っている人を対象に、「新生活様式で見えてきたキャンピングカーへの期待」というアンケート調査を実施しました。
調査の結果、ソーシャルディスタンスを保つレジャーの移動手段としてキャンピングカーを使いたい人が多いことや、買い物や仕事など遊び以外に使った人や使いたい人も一定数いることなどが分かりました。
ニューノーマル時代に、多くの人が求めるキャンピングカーの利用法や新しい価値観などについてご紹介します。
●自粛中にキャンピングカー利用は控えた?
今回のアンケートは、前述の通りキャンピングカーを所有しているユーザー、またはキャンピングカーに興味を持っている人を対象に行われたものです。
全投票数136票のうち76.5%がキャンピングカーを所有しており、レンタカーなどでキャンピングカーを利用したことがある人も含めると81.6%がキャンピングカー経験者となっています。
調査では、まず2020年の「緊急事態宣言が発出された自粛期間中に、キャンピングカーを利用しましたか」という質問を実施。それに対し「利用した」と答えた人は全体の64.0%となり、キャンピングカー経験者81.6%よりも低い割合に。
これにより、自粛期間中はキャンピングカーの利用を控えた傾向があることが伺えます。
調査では、さらに自粛期間中に、キャンピングカーを利用した人に「利用目的」を聞いたところ、半数近くの47.7%が「レジャー」と回答。
次に、「買い物や病院など、日常生活での移動手段」が23.2%、「仕事」が8.6%、「家族や友人などの送迎手段」が7.6%、「日常生活や病気療養時の宿泊スペース」が6.6%と、レジャー以外の目的で利用した人も半数近く(46%)いることが分かりました。
ちなみに、自粛期間中に「キャンピングカーを利用したかった」人は全体の76.5%で、実際に「利用した」人(64.0%)より多い割合となっています。この点からも、前述の通り、使いたかったのに利用を控えた人が一定数いたことが考えられます。
●日常生活などの利用希望者も多い
アンケートでは、さらに長引く自粛期間による「新生活様式」下で、「どのようにキャンピングカーを利用したいか」についても調査しています。
結果は、「レジャー」が54.7%で最多となりましたが、注目は16.6%で2番目に多かった「日常生活や病気療養時の宿泊スペース」としての利用。前述の通り、実際に自粛期間中の使用目的では5番目でしたが、2位にジャンプアップしています。
日本RV協会では、これについて「(今後の)期待値として、キャンピングカーとしての居住空間に注目が集まった」と分析。つまり、日常生活や病気療養など、本来求められる「レジャー」以外の目的にも、キャンピングカーの利用が期待されているというのです。
なお、その他の自由回答では、以下のような答えが挙げられたそうです。
・ストレス発散
・一人でのんびりとするため
・交通機関を使わない移動ができて、就寝も可能な場所として
・テイクアウトした時
・お家でキャンプ気分を楽しむ
・公共交通機関を使った旅行に代わる新たな生活スタイルの旅行
これらは、いずれも「密」を避けるとか、公共交通機関を利用しないで移動できる点などに注目が集まっているといえます。また、テイクアウトした食事をキャンピングカーで食べるなど、新しい感覚によって生まれた習慣もみられました。
また、キャンピングカーを「仕事で使ってみたい人」と答えた7.6%の人に対し、具体的な利用方法について聞いたところ、「事務所・テレワークスペースとして」と答えた人が最多の63.2%に。ここでも、キャンピングカーのスペースを、レジャー以外の仕事などで有効活用したい人がいることが分かっています。
●2021年にやりたいことは?
アンケートでは、新しい年を迎えた2021年に「キャンピングカーを使ってやってみたいことがありますか」との質問も行っており、全体の94.9%が「はい」と答えています。また、「はい」と答えた人に「具体的にどのようなことをやってみたいですか」と聞いてたところ、「旅行」(47.8%)、「キャンプなどのアウトドアレジャー」(39.4%)、「帰省」(6.4%)、「リモートワーク、ワーケーション」(4.4%)という順番になりました。
やはりキャンピングカーはレジャー用途として利用したい人が多く、仕事での利用を自発的に行いたい人は少ないようですね。
また、上位2項目が移動する「旅行」、体験する「アウトドア」であったことから、機動性と居住性という、キャンピングカー本来の利便性を発揮した利用方法が期待されていることが分かります。
ちなみに調査では「2020年コロナ禍以降、自分の生活に変化がありましたか」という質問もしています。その結果は、「変化があった」人が55.9%で半数以上を占め、さらに変化があったと答えた人へ「どのような変化でしたか」と聞いたところ、「時間に余裕ができた」と答えた人が35.9%で最多となっています。
これにより、日本RV協会は「時間的な余裕が生まれ、(多くの人が)キャンピングカーでやってみたいことがあると答えた調査結果から、今後のキャンピングカーを使った活発な行動が期待されます」とコメント。
また、キャンピングカーに「その可能性を感じている人も多く、今後の利用方法にも広がりが見えてきました」と言及しています。
いずれにしろ、この調査によると、ニューノーマル時代にキャンピングカーが注目されているのは確かのようです。レジャーはもちろん、生活や仕事など、活躍の場がさらに広がるのか、今後の動向が気になるところです。
(文:平塚 直樹)