■パワートレーンは3.8L V6エンジンと9速ATを採用
2021年2月4日、日産はミッドサイズピックアップトラックの新型「フロンティア」を北米市場で2021年夏から販売すると発表しました。
新型フロンティアは、米国市場で日産が60年以上もの間培ってきたピックアップトラックの経験を活かし、パワーや性能だけでなく、実用性や操縦安定性、そして最新技術を投入。仕事でもアドベンチャーでもどちらにも活躍するモデルと位置づけています。
エクステリアは、インターロッキングデザインの新型ヘッドライトをはじめ、堅牢さが表現されたフロントグリル、輪郭のはっきりとしたフードを備えた力強いフロントマスクが目を惹きます。また、どこでも走れる地上高を持ちながらも安定感を感じるフォルムと、重厚な垂直状フェンダーにより、耐久性と屈強さを強調。
リヤビューは、機械で削り出されたような立体的な形状のテールランプが特徴で、テールゲートとボディサイドをしっかりと固定しているかのように配置されていて、こちらも堅牢さが表現されています。
一方のインテリアは、実用的でモダンな仕立てになっています。7.0インチの「アドバンスド ドライブアシストディスプレイ」は様々な情報を映し出し、シーンを問わずドライブをサポート。センタークラスターも新設計で、シンプルで直感的な操作が可能で、ドライバーや乗員にとって使いやすいデザインになっています。
ほかにも、遮音材の追加やフロントドアの遮音ガラスにより、車内に入り込むノイズを低減するとともに、疲労感を軽減させる「ゼログラビティシート」により、ロングドライブを快適に楽しめるとしています。
アグレッシブなエクステリアに搭載されるパワーユニットは、最高出力310PSの3.8L V6エンジン。90%以上の部品が新開発、もしくは改良されているそう。組み合わされるトランスミッションは9速ATで、高効率で力強い走りを実現しています。
この新しいトランスミッションは、ロックアップ領域の拡大、レスポンスのいい電動油圧システム、長いインプットシャフトを採用。素早くダイレクトなシフトフィールが得られるそうで、ギヤレンジは99%拡大されているとのこと(先代の5速モデル比)。
また、油圧パワーステアリングもチューニングされていて、ステアリング中立付近フィーリングを改善することで、ロングドライブ時の疲労を低減。同時に、ステアリングギア比を16%クイックにすることで、少ないステアリング操作でもレスポンスのいいハンドリングが得られるとのことです。
サスペンションは、オン/オフロードを問わず、上質な乗り心地とハンドリングをもたらすそう。新型の油圧キャブマウントの採用により、キャビンの振動をじつに80%も低減。さらに、同クラスでは唯一となるウレタン製バンプラバーによりダンピングを制御し、滑らかな乗り心地に貢献するとしています。
加えて、太くなったフロントのスタビライザーとリヤスタビライザーがロールを軽減し、トラクションも向上。ABS付き4輪ディスクブレーキにより安心した制動力を発揮します。
また、4WDには、2WD/4HI/4LOモードを備えた電子制御のパートタイム式のシフトオンザフライ4WDシステムが用意されています。4輪リミテッドスリップ制御により、滑りやすい路面でもトラクションを確保するそう。2WDも含めた全車にヒルスタートアシストを標準装備するとともに、4WDモデルはヒルディセントコントロールも標準装備とし、アドベンチャーを愛する人々が、急勾配の道路や山道を安全に走行できるよう支援します。
安全装備も抜かりはないようです。米国向けモデル初となるオフロードモードを備えた日産インテリジェントアラウンドビューモニターが搭載されます。オフロードモードは、「4LO」を選択して低速走行時に、エクステリアに搭載された4台のカメラ映像によって上空から車両を見下ろしているかのような映像をディスプレイにを映し出し、タイトで荒れたオフロードの走行をサポートします。
そのほか、「日産セーフティシールド360」の安全技術である歩行者検知機能を備えたインテリジェント エマージェンシーブレーキ、ブラインドスポットワーニング、リヤクロストラフィックワーニング、レーンデパーチャーワーニング、ハイビームアシスト、リヤエマージェンシーブレーキ、アダプティブクルーズコントロール、トラフィックサインレコグニション、インテリジェントドライバーアラートネスなども選択することも可能。
なお、インテリジェント前方衝突警告、イージーフィルタイヤアラートを備えたタイヤ空気圧警報システム、リヤドアアラート、合計8個のエアバッグは標準装備されます。
日本でも一部のマニアから絶大な支持を集めているピックアップトラックですが、日本への導入などはアナウンスされていません。
(塚田 勝弘)