■乗り場所選ばず、バリエーションも豊富なマジェスティS
ヤマハのスクーター・マジェスティの快進撃は、1995年に発表されたマジェスティ250に始まります。
迫力満点の大型ボディとスポーティなスタイリング、ゆとりのラゲッジスペースが人気を呼び、翌1996年には250ccクラスの登録台数で見事トップに立ちました。2000年に登場した2代目マジェスティは、さらに大きな話題となり、爆発的なヒットを記録。当時のビッグスクーター・ブームの牽引車ともなったのです。
マジェスティSは、2000年代のビッグスクーター・ブームが少し落ち着いたころ、155ccエンジンを搭載して、軽くて小回りがきく、ちょっと小ぶりなマジェスティとして発表されました。
扱いやすさとスポーティな走りが高次元でバランスしたマジェスティSは、2014年モデルの発表以来、今も変わらない人気を誇っています。
マジェスティのシリーズには、元祖マジェスティともいえる250cc車のほか、グランドマジェスティ400や、「コマジェ」の通称で親しまれたマジェスティ125などの排気量バリエーションがありましたが、いずれもすでに生産を終え、今では155ccのマジェスティSだけがラインナップされています。
155ccという排気量は、免許制度や道路運送車両法の区分からみれば中途半端に感じられるかもしれません。でも、じつはこれ、ふだん使いのスクーターにはぴったりのエンジンなのです。
250ccよりもぐっと小ぶりなボディは取り回しがよく、混みあう市街地や狭い路地をストレスなく走れるだけでなく、いざとなったら高速道路を使って素早く目的地に向かうこともできる万能選手だから。
普通二輪免許(中型免許)を持っているライダーなら、このクラスのスクーターは狙い目ともいえそうですね。
斬新でスポーティなデザインが特長のマジェスティSですが、ライダーが足をのせるフットボードはぺタンとフル・フラットな古典的スタイルを踏襲しています。フットボードの中央が大きくせり上がり、ライダーがしっかり足をあげてまたがるタイプだった250ccの元祖マジェスティとは対照的な実用性重視のデザイン。
乗り降りしやすいフラットなフットスペースは、使い勝手のよさと快適さを追求して作られたマジェスティSを象徴するパートともいえるのです。
スタイリッシュなデザインと乗りやすさが嬉しいマジェスティSは、近所のお買い物や、毎日の通勤・通学さえも楽しいライディングの時間に変えてくれるおしゃれなスクーター。プラス、高速道路に乗れて荷物もたくさん積めるから、日ごろのタウンユースだけじゃなく、短・中距離のツーリングでも活躍してくれそうです。
次回から、マジェスティSの装備と走りをたっぷり紹介していきましょう!
【ヤマハ マジェスティS 主要諸元】
全長×全幅×全高:2030mm×715mm×1115mm
シート高:795mm
エンジン種類:水冷4ストロークSOHC4バルブ単気筒
総排気量:155cc
最高出力/最大トルク:11kW/1.4kgm
燃料タンク容量:7.4L
タイヤ(前・後):120/70-13・130/70-13
ブレーキ:前後油圧式シングルディスクブレーキ(ABS)
メーカー希望小売価格:37万9500円(税込)
(写真:高橋 克也/文:村上 菜つみ)
【関連リンク】
マジェスティS Official Site
https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/lineup/majesty-s/
村上菜つみさんがヤマハ・マジェスティSで出かけたツーリング記事は、月刊誌「モトチャンプ」2021年2月号(1月6日発売)に掲載されています。