■D1 GP2020、単走シリーズチャンピオンが決定!
1月最後の日曜日となった31日、茨城県・筑波サーキットにてD1グランプリ2020シーズンの最終戦が開催されました。
新型コロナウイルス感染症の影響で当初の開催予定が大幅に遅れ、年を越しての開催とはなりましたが、こうして無事に最終戦まで開催できたことは、エントラントやオーガナイザーをはじめとする全参加者・参加団体の皆さんのご尽力と、いつも開催を心待ちにしてくださっている多くのモータースポーツファンの方々のご理解ご協力がなければ成し得ることはできませんでした。
モータースポーツに関わる者として、そのすべての方々にこの場をお借りして感謝の気持ちを伝えたいと思います。
今回の筑波ラウンドもデュアルファイナルズとして開催され、前日行われた第7戦では最終戦を待たずしてLINGLONG TIREの#4 小橋正典選手が2020シリーズチャンピオンを決めました。しかし単走チャンピオン争いは大接戦となっており、この最終戦でそのチャンピオンが決まります。
第7戦終了時点で、その単走スタンディングはTOYO TIRESの#66 藤野秀之選手が97ポイントでトップ、2位にはわずか2ポイント差でNANKANG TIREの#70 横井昌志選手。3番手にはシリーズチャンピオンを決めた小橋選手がトップから11ポイント差となっています。
11時から始まった単走では横井選手と藤野選手がいきなりAグループで登場、単走チャンピオンに一番近い場所にいる2人が早くもアツい火花を散らします。ここでは横井選手が藤野選手を上回る98.81で暫定2位、その藤野選手は97.77で暫定3位となり、他の選手の結果次第では横井選手が藤野選手を逆転する展開となります。
シリーズチャンピオンを決め、単走と合わせて2冠を狙う小橋選手は最終Dグループで登場。その小橋選手は気迫の走りでこの日の最高得点となる99.61をマーク、暫定トップに躍り出ます。
最終組ということもあり、その小橋選手を上回る選手が現れなかったため、最終戦の単走を小橋選手が制しました。これで小橋選手は20ポイントを獲得しますが、横井選手は4位14ポイントを獲得、そして4名のドライバーたちが藤野選手の得点を上回ったため、藤野選手は9番手となり獲得ポイントは8ポイント。
これによって2ポイント差を逆転した横井選手が2020シーズン単走チャンピオンを獲得しました!
●前日の雪辱を果たした小橋選手が年間最多勝記録に並ぶ5勝目を獲得!
ランチブレイクを挟んで行われた追走トーナメントはシリーズチャンピオンこそ決まっているものの、2位以下はまだまだ接戦となっており、1回戦からアツいバトルが繰り広げられました。
そんな中、前日の準決勝でシリーズチャンピオンがかかった大一番、大クラッシュとなってしまった小橋選手と横井選手の因縁の対戦が再び準決勝で行われ、今回は雪辱を果たした小橋選手が決勝に勝ち進みました。
決勝は前日優勝したVALINO TIREの中村直樹選手とのS15対決となり、小橋選手先行の1本目では中村選手が数センチ単位の驚異の接近ドリフトで後追いポイント10をゲット、6ポイントのアドバンテージとなります。そして運命の2本目、小橋選手はプレッシャーを跳ね除け先行する中村選手以上の超接近ドリフトを魅せ後追いポイント11をマーク! 逆転で今シーズン5勝目を勝ち取りました!
同一シーズンでの3連勝、そして5勝という記録は2016年に斎藤太吾選手が記録して以来、史上2人目の快挙となり、その大記録を成し遂げたシーズンを優勝という最高の形で締めくくった小橋選手は、暫定表彰式で熊久保監督やチームメイトの末永選手をはじめとするチームへの感謝の気持ちを感涙とともに語りました。
こうして毎戦激しいバトルを魅せてくれたD1グランプリの2020シーズンが無事に終了しました。
2021シーズンは早くも3ヵ月後の4月末に第1ラウンドが開催される予定となっています。例年になく短いオフシーズンとはなりますが、来る2021シーズンも見る者を魅了し感動させてくれるアツい走りと激しいバトルを期待して、2020シーズンの幕を下ろしたいと思います。
(H@ty)