■ホンダの軽自動車は、N360に始まりNIII 360へ、そしてライフへと進化
1月28日は、「宇宙からの警告の日」です。1986年のこの日、米国のスペースシャトル・チャレンジャーが打ち上げられ、発射直後に爆発するという大惨事が起こったことに由来します。一瞬何が起こったんだと呆然としている乗員の家族や多くの観客の姿がテレビに映し出された衝撃のシーンは、今も筆者の脳裏に深く焼き付いています。その後もロケットの発射シーンを見るたびに、必ずあのシーンが蘇ってしまいます。
さて、クルマ界の今日は何があったのでしょう?
1970(昭和45)年1月28日、日本の自動車黎明期を飾った名車「ホンダN360」の2回目のモデルチェンジを機に名称を改めた「NIII 360」が発売されました。
ベースのN360は、1967(昭和42)年3月に発売され、それまで10年間首位を守っていた「スバル360」から首位を奪い取り、圧倒的な人気を誇っていました。人気の理由は、それまでの軽自動車の常識を覆す低価格と高性能を実現したことでした。バイクで培った経験を生かした4ストローク空冷2気筒、最高出力31PSを8500rpmで発揮する高速高出力エンジンを搭載して、最高速度は100km/hに達しました。
そして2回目のマイナーチェンジで登場したのが、N360改めNIII 360です。特徴は、フリントグリルやボンネットなどを一新してより洗練したデザインとし、それまでの4速ドグミッションをフルシンクロミッションに変更したことです。N360のデビューが衝撃的だっただけに、NIII 360の登場にそれほどの新鮮味はなかったように思います。その役割は、乗用車が普及し始めたことでより庶民の足としての使い勝手や乗り心地を重視するクルマへとシフトさせたことかもしれません。
その表れのひとつが、同年9月に追加発売された、最高出力を27PSに抑えて扱いやすくした低中速重視エンジンを搭載した「NIIIタウン」です。足回りをソフトにして、乗り心地の良い街乗りを意識したNIIIタウンは、その翌年1971年6月に登場したソフトなフィーリングのファミリーカー「ライフ」のへの布石と言えるのではないでしょうか。
毎日が何かの記念日。それではまた明日!
(Mr.ソラン)