■上質な走りと安定したハンドリングを獲得
現行の日産・エクストレイルは2013年12月から発売されているロングセラーです。オーテック仕様は2019年1月に導入されましたが、1年後となる2020年1月にベースモデルが一部仕様変更したのに合わせて、オーテック仕様も変更が行われました。
ベースモデルに準じる仕様変更はもちろんですが、最新モデルからはショックアブソーバーがザックス製となり、乗り心地とハンドリングが大幅に進化しました。
試乗したモデルはピュアエンジンの4WDです。足まわりの変更はまず、ショックアブソーバーをザックス製としたことをベースにしています。
スプリングレートについてはテストをした結果、従来レートとのマッチングがいいとのことで変更なし。ただし、スタビライザーはフロントを径アップ(つまりレートアップ)、リヤには設定のなかったスタビライザーを追加装着しました。
このサスペンションのセッティングは絶妙です。
まず、乗り心地がいいのです。高速道路の継ぎ目などでも“トン”と乗り越えるだけで、その先の動きには何の影響も及ぼしません。みごとな収束感で道路の不整をいなしていきます。決して柔らかくて、フニャっと乗り越えるわけではありません。小さな突起であっても、そのきっかけ、頂点、収束までがしっかりとグリップしている感じがあります。
さらにコーナリングの安定感も高いものです。高速道路のインターチェンジからの流入で高めの速度で進入しても、クルマの安定感が高まっています。フロントのスタビライザー径アップ、リヤのスタビライザー追加によってロールが抑えられていて、19インチのタイヤがしっかりとグリップすることが大きな理由です。
エクストレイルAUTECHにはプロパイロットが装備されています。足まわりのセッティング変更はACCには影響を及ぼしませんが、車線維持などには大きく影響します。車線維持については純正タイヤでも新品とすり減ってからでは大きな違いがあるので、足まわりのセッティングを変えてしまうとそのセッティングもやり直す必要があります。
しかし、それができるのはメーカーとその関連会社だけ。エクストレイルAUTECHはそうしたセッティングもきちんと行われていて、安心して乗ることができます。
■エクストレイルAUTECH特別装備品
●エクステリア
・フロントグリル、フロントバンパー(バンパー下部、メタル調フィニッシュ)
・リヤバンパーフィニッシャー(メタル調フィニッシュ)
・AUTECH専用エンブレム(フロント・リヤ)
・フロントマーカーLED
・専用デュアルエキゾーストマフラー
・専用フルカラードエクステリア (カラードドアモール、カラードサイドシルガーニッシュ、カラードホイールアーチガーニッシュ、フルカラードリヤバンパー)
・サイドターンランプ付電動格納式リモコンドアミラー(メタル調フィニッシュ)
・専用19インチアルミホイール+225/55R19 99Hタイヤ
●インテリア
・ブラックレザーシート(「AUTECH」刺繍、ブルーステッチ)
・レザー調インストパネル(ソフトパッド・ブルーステッチ)
・前後ドアトリム
・ピアノブラック調フィニッシャー・ブルーステッチ
・センターコンソールボックス(ブルーステッチ)
・センタークラスターエンブレム
・カーペットインテリア(フロア/ラゲッジ/ラゲッジボード)
・専用革巻3本スポークステアリング(ブラック/ブルーコンビ&ブルーステッチ)
・革巻シフトノブ
●機能パーツ
・専用サスペンション(SACHS製ショックアブソーバー)
・スタビライザー(追加、レート変更)
●ボディカラー
・カスピアンブルー・メタリック(AUTECH専用色/スクラッチシールド/特別塗装色)
・プレミアムコロナオレンジ・パールメタリック(スクラッチシールド/特別塗装色)
・ガーネットレッド・カラークリアパール(スクラッチシールド/特別塗装色)
・インペリアルアンバー・パール(スクラッチシールド/特別塗装色)
・ブリリアントホワイトパール・3コートパール(スクラッチシールド/特別塗装色)
・ダイヤモンドブラック・パール(スクラッチシールド/特別塗装色)
・ダークメタルグレー・メタリック(スクラッチシールド/標準色)
(文:諸星 陽一/写真:井上 誠)