「KINTO」が新たに開始するモビリティマーケットは、移動のよろこびなど多彩なモビリティサービスを提供

■NTTドコモ(kikito)やキャンピングカーシェアなどと提携

菅田将暉さん、二階堂ふみさん、矢本悠馬さんが出演するTVCMが若いユーザーを中心に大きな反響を呼んでいるという、クルマ(トヨタ/レクサス)のサブスクリプション「KINTO」。

2020年は、取り扱い車種を15から31車種に増やし、従来の3年間に加えて5年と7年のプランを追加、さらに「のりかえGO」により別のプランに変えることもできるなど、プランの自由度を高めました。

KINTO
KINTOの小寺信也社長

さらに、ハリアー、ヤリスクロス、GRヤリスなどの人気車種をラインナップ。台数限定のGRスープラの設定、KINTOツーリングセレクションを用意するなど、多彩な車種も揃い、2019年3月~2020年12月の累計申し込み数は約1万2,300件(個人が84%、法人が16%)に上ったそうです。

Webサイトでも申し込み可能なKINTOは、若年層を数多く獲得し、累計申込ベースでは20代、30代が約4割を占めたそう。

KINTO
KINTOの申込実績

20代・30代では約80%がWebサイトを通じての申し込みになったそうです。また、今までクルマを保有していなかった層も数多く取り込んでいます。

2021年1月20日に発表された新たなサービスは、トヨタがモビリティサービス・カンパニーへの変革を目指す好例といえそうです。

従来のトヨタは一部の参加型モータースポーツなどをのぞき、クルマを販売した後の一般ユーザーの「クルマを持つ喜び」「クルマがあることによる楽しさ」といったサービス提供の面で少し弱かったと、オンラインでのメディア説明会で、KINTOの小寺信也社長は説明しています。

今回の発表は、次のモビリティサービスを提案するべく、国内外の企業と提携し、多様なモビリティサービスを提供するオンラインプラットフォーム「モビリティマーケット」(モビマ)を2021年4月に立ち上げるというものです。

KINTO
KINTOが展開する「モビリティマーケット」

「モビマ」とは、「移動の楽しさ」「安心」「快適」につながるサービスを揃えたオンラインプラットフォーム。日本国内に在住、滞在の人なら誰でも利用することができます(KINTOのユーザーでなくても利用可能ですが、モビマを利用する場合は登録が必要)。

「KINTO ONE」の契約者にはメリットがあり、「KINTO ONE」には3万円相当、「KINTO FLEX」の契約者には6万円相当の優待や様々な特典が検討されていて、クルマだけでなく「移動のよろこび」もコミコミで提供する予定としています(3万円、6万円相当の優待などは1契約あたり1回まで)。

「モビマ」には5つのサービスがあります。

「新しい生活の扉を開こう」は、キャンピングカーを利用したワーケーションや、シェアサイクルで巡る旅、ドライブインシアターなど、ニューノーマル時代の新たな移動体験が提供されます。

「心踊るスペシャルな体験を」では、海外でのKINTOブランドのカーシェアや、モータースポーツの観戦、体験、クルマでしか行けないようなローカルでの食事と体験など、クルマを使った非日常体験を用意。

KINTO モビマ
KINTOが新たに提供するモビリティサービスの「モビマ」

「クルマ時間をとことん楽しもう」では、カーコーティングやレジャー時の駐車場予約、クルマの中で流す音楽やドライブなどを楽しくするカメラなど、快適なクルマ時間を演出するサービスを提供。

「もっと気持ちよく、軽やかに」をテーマに掲げたサービスでは、クルマ、電車、バス、船をはじめ、複数の移動手段を組み合わせたMaaSや、リムジンによる自宅から空港への送迎など、シームレスでストレスフリーな移動サービスが用意されます。

「やさしく移動を応援」として、ドライビングレッスンや、移動する日をピンポイントでカバーする保険、クルマの中の除菌など、移動の安心安全をサポートするサービスが提供されます。

KINTO モビマ
モビリティマーケット(モビマ)のロゴ

2021年1月時点での提携企業は、NTTドコモ(kikito)、SPDホールディングス(SPDスクール)、キャンピングカー(ジャパンキャンピングカーレンタルセンター)、KeePer技研(EX KeePer/W DIA KeePer/DIAMOND KeePer/CRYSTAL KeePer)、JTB、scheme verg、SmartRyde、テーブルクロス、近畿日本ツーリスト中部、ハッチ(Do it Theater)、富士スピードウェイ、ペーパードライバーサポート愛知、トヨタファイナンシャルサービス、Mellow、ライフクリエイション(さなげアドベンチャーフィールド)、R-ISE(ライズペーパードライバーズクラブ)、リンベル、海外KINTO SHARE(KINTO SHARE)となっています。

キャンピングカーのシェアやペーパードライバー講習、カーコーティングのサービス、ツーリズム、MaaSアプリの対応、全世界150ヵ国で利用可能な空港送迎サービス、グルメアプリ、レース、オフロードコースの運営など、多彩な企業が参加していて、KINTOのユーザーだけでなく、「モビマ」を使えばレジャーやドライブの楽しみが広がりそうです。

さらに、現時点で約30社との協議も進められているそうで、より多彩なサービスが受けられることになります。

(塚田 勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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