メルセデス・ベンツGLE/GLEクーペのAMG63モデルに、48Vマイルドハイブリッドシステムを初搭載【新車】

■最高出力612PS(450kW)、最大トルク850Nmの4.0L V8をモーターがアシスト

メルセデス・ベンツのアッパーミドルサイズSUVであるGLE、GLEクーペに、「メルセデスAMG GLE 63 S 4MATIC+(GLE 63 S)」「メルセデスAMG GLE 63 S クーペ4MATIC+(GLE 63 S クーペ) 」「メルセデスAMG GLS 63 4MATIC+(以下、GLS 63)」が加わり、2020年12月15日から発売されました。

メルセデス・ベンツ GLE63
メルセデス・ベンツ GLE63のエクステリア

主な特徴は「AMG 63モデル」として初めて48Vシステムとモーター(ISG)が搭載された点で、「AMG 4MATIC+」や「AMG ACTIVE RIDE CONTROL」など、AMGの最新技術が採用されています。また、最新の安全運転支援システムと対話型インフォテインメントシステム「MBUX」も標準装備され、快適なドライブを実現するハイパフォーマンスSUVです。

3モデルのパワーユニットは、最高出力612PS(450kW)・最大トルク850Nmを発揮する4.0LのV型8気筒直噴ツインターボ。ISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)と48V電気システムが組み合わされています。さらに、可変トルク配分4WDシステム「AMG 4MATIC+」、走行安定性を向上させる「AMG ACTIVE RIDE CONTROL」などの最新のAMG技術を搭載しています。

メルセデス・ベンツ GLE63クーペ
メルセデスAMG GLE 63 S 4MATIC+クーペのリヤビュー

2基のターボはV型シリンダーバンクの外側ではなく内側に配置される「ホットインサイドV」というレイアウトが採用されています。これにより、エンジンを可能な限りコンパクトにすることが可能で、ターボへの吸排気経路を最適化することで、優れたレスポンスを実現するそうです。

ISGは、エンジンとトランスミッションの間に配置され、最高出力21PS(16kW)・最大トルク250Nmを発生するモーターにより、オルタネーターとスターターの機能も兼ねています。モーターと48Vシステムにより、従来のハイブリッド車のような回生ブレーキによる発電を行い、約1kWhの容量のリチウムイオンバッテリーに充電。

エンジンが低回転時には、その電力を使って動力補助を行うことで、高い効率性と力強い加速を実現するとのこと。また、スターターが高出力なモーターになることで、エンジン始動時の振動を抑え、エンジンスタートおよびアイドリングストップの際の再スタートの快適性を向上。また、アイドリング時には、モーターの充電電流を調整することで、エンジン回転数を低回転で安定的に保つことを可能にし、効率性、快適性および静粛性に寄与します。

さらに、このモーターはシフトチェンジ時にも活用され、エンジンが理想的回転数に達するまでの時間を最小限に抑えるためのアシストもされます。これにより、シフトチェンジに必要な時間が短縮され、スムーズでタイムラグの少ないシフトチェンジを実現するといいます。

メルセデス・ベンツ GLE63
ISGを搭載する4.0L V8エンジン

また、メルセデスAMGの手による4WDシステムの「AMG 4MATIC+」は、走行状況に応じて前後「100:0」から前後「0:100」まで前後の可変トルク配分を行うことで、ハイパワーを4輪に配分。発進時はもちろん高速走行、ハイスピードコーナリング、そしてコーナーの立ち上がり加速などで高い安定性に寄与します。

さらに「電子制御AMGリミテッド・スリップ・デフ」も備わり、走りに応じてロッキング機構を電子制御することでトラクションを高め、コーナー出口での加速タイミングを早めます。加えて、ブレーキング時の安定性を高め、発進加速時のトラクションを高めるなどの効果をもたらすそうです。

足まわりでは、マルチチャンバーを備えた「AMG RIDE CONTROL+エアサスペンション」が標準装備されています。コーナリング時やブレーキング時には、硬いスプリングレートに瞬時に切り替えることで、高い安定性と思いのままの俊敏なハンドリングを実現。さらに、走りに合わせて4輪それぞれを電子制御する連続可変ダンピングシステムを用意。また、ボタンを押すことで車高を上げ、駐車場のスロープや段差などでも気をつかわずに運転することができます。

メルセデス・ベンツ GLE63
ISGが搭載されたGLE63のインテリア

高いアジリティとニュートラルなコーナリング、最適なトラクションを実現する「AMG ACTIVE RIDE CONTROL」も採用されています。前後アクスルそれぞれに配されたアクチュエーターが独立して動き、車体の安定化を図る装備です。

ハイレスポンスの電気機械式で、1秒あたり1,000回の頻度で路面の状態に対応した制御を行うことができます。これにより、直進時にはしなやかな足まわりによる快適な乗り心地を発揮しながら、コーナリングや車線変更時にはロールを効果的に抑制し、より快適でダイナミックなドライビングを可能とするそうです。

メルセデス・ベンツ GLE63
GLE63のフロントシート

そのほか、対話型インフォテイメントシステムの「MBUX」やテレマティクスサービス「Mercedes me connect」、先進安全装備が用意され、12.3インチのワイドディスプレイおよびコックピットディスプレイ、マルチビームLEDヘッドライト、 温冷機能付カップホルダー、ワイヤレスチャージング、フットトランクオープナー(テールゲート自動開閉機能)など高機能、装備満載の高級SUVに仕立てられています。

価格は、
メルセデスAMG GLE 63 S 4MATIC+(ISG搭載モデル)1958万円
メルセデスAMG GLE 63 S 4MATIC+クーペ(ISG搭載モデル)1998万円
メルセデスAMG GLS 63 4MATIC+(ISG搭載モデル)2183万円
です。

(塚田 勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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