●特別カラーのAudi R8がギア・サーキットを縦横無尽に駆け抜ける
東京から約3,000km、香港と並んで中国の特別行政区であるマカオ。カジノと、世界遺産を中心とした観光地として知られるこの地で、今年も伝統のマカオグランプリが開催されました。
例年世界各国のレーシングコンストラクターやワークスチーム、名だたるドライバーが集まり、公道サーキットを使って世界一を競うこのレースには、日本からもTOM’SやB-Maxなどをはじめ、多くの日本人ドライバーが毎年参戦しており、今最もF1に近い日本人ドライバーとしてFIA-F2に参戦している角田裕毅選手も昨年のF3ワールドカップに出場しました。
ところが今年は新型コロナウイルス感染症の世界的パンデミックによって、海外からのマカオ入国は現在においても原則禁止となっており、今年で67回目を迎えた歴史的なレースも開催期間の短縮や開催クラスの変更を余儀なくされました。
そんな状況下で開催された今シーズンのマカオグランプリに、日本を代表してエヴァンゲリオンレーシングが参戦、今回のマカオグランプリのために用意された特別カラーリング「EVA RT TEST TYPE-01 TSRT R8」を纏ったAudi R8 LMS GT3 EVOが難攻不落のギアサーキットを駆け抜けました!
今回の参戦は、エヴァンゲリオンレーシング設立10周年の記念すべきチャレンジとして、現在スーパーGTに参戦している香港のレーシングチーム「X Works」のサポートの下、Audi Sports Asia Team TRSTが中国人ドライバーChen Weian選手を擁して、Macau GT Cup出場を果たしました。
この参戦にあたって、Weian選手は2回目のマカオ出場と経験が浅いこともあったため、昨シーズンはスーパーGTにも参戦し、13回のマカオ出場経験のあるX WorksのプリンシパルであるMarchy Lee選手もAudi Sports Asia Team X Worksから出場、マカオグランプリではおなじみとなったEVISUカラーのAudi R8 LMS GT3 EVOでWeian選手と共にマカオに挑みました。
●ミスなく週末を走りきり、見事ポディウムを獲得!
走行初日となった20日金曜日に行われたフリープラクティス1回目では、少しのミスが即クラッシュにつながる公道コースへの習熟に走行時間を費やした2台のAudi R8。それでもMarchy Lee選手の38号車EVISU号は4番手、Chen Weian選手の28号車Eva号はそのすぐ後ろ5番手タイムをマークします。
続いて行われたフリープラクティス2回目になると、翌日行われる予選を見据えタイムアタックを行った2台は着実にタイム、そしてポジションを上げ、EVISU号が4番手、そしてEva号はそれを上回る3番手に。十分な手応えを感じつつ初日の走行を終えました。
21日土曜日には予選が行われました。山側のテクニカルセクションはコース幅が狭く、抜きどころがとても少ないマカオ・ギアサーキットでは予選順位がレース結果に大きく影響するため、この予選は非常に重要なセッションとなります。
この予選でもAudi R8を駆る2人のドライバーは前日からの好調を維持。フリープラクティス2と同じポジションで予選を終えセカンドローを獲得し、フロントローの2台のMercedes-AMGを追う展開となりました。
そしてマカオグランプリでは決勝レースに先立ち予選レースが行われます。この日最後の走行となった予選レースでは、ローリングスタートで順位を落としたEVISU号もマカオ名物の1つリスボア・ベンドでポジションを取り戻し、その後はセーフティーカー(SC)導入や8周で行われる予定だった予選レースが最終的に3周減算の5周でのチェッカーとなったため、予選順位をキープしたまま予選レースを終えました。
迎えた22日。決勝レースを前に今回Craft-Bamboo Racingからエントリーし、この週末常にトップを快走してきた香港の名ドライバーO’YOUNG Darryl選手にまさかのペナルティが出され、予選レースの結果に30秒の加算となりDarryl選手は11番手からの決勝スタートとなりました。
フロントロー2番手からスタートしたEva号は、オープニングラップのリスボア・ベンド立ち上がりで失速してしまい、僚友EVISU号とその後方にいたMercedes-AMGにパスされ4番手までポジションを落としてしまいます。その後マシンクラッシュによるSCランが解除された4周目終了時には、11番手から驚異の追い上げをみせるDarryl選手がEva号の直後まで詰め寄りますが、5周目のリスボアで前を走るMercedes-AMGのインを見事に刺し3番手にポジションアップ。
その後はDarryl選手とテール・トゥ・ノーズでのバトルをしのぎポディウムポジションを守りますが、9周目のリスボアでついにオーバーテイクを許してしまいます。しかしその直後に後方でマシンが単独クラッシュ。このクラッシュでレースは赤旗中断となり結果的にそのままレースは終了。
赤旗直前の周回でのコントロールライン通過時のポジションが決勝結果となりEVISU号Marchy Lee選手が2位、そしてEva号Chen Weian選手は3位表彰台獲得となりました!
遠くマカオで大活躍を魅せたエヴァンゲリオンレーシング。来シーズンの国内外での活躍にも期待しましょう!
(H@ty)