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■現行モデルに続きトヨタと共同開発
スバルの北米法人が2020年11月18日、発売から8年以上経過したスバルBRZの次期モデルを公開しました。
2代目となる新型は現行モデルに続き、トヨタ自動車との「もっといいクルマづくりの追求」の取り組みを通じて共同開発されており、BRZで初となる運転支援システム「アイサイト」をAT車に標準装備。AEB(衝突被害軽減ブレーキ)や全車速追従機能付クルーズコントロールが、快適な移動をサポートします。
新型のエクステリアは以前にご紹介したとおり、キープコンセプトではあるものの、フロントマスクを一新。フェンダーサイドに設けられた縦型エアアウトレットやサイドシルスポイラーに加え、ラッゲージドア後端がスープラ風に跳ね上がったダックテール状になっているのが特徴。
新意匠のヘッドランプやテールランプについては、今後発表される姉妹車、次期トヨタ「86」においても現行モデルと同様、外形は共通と予想され、車名エンブレム以外で目立つ差異としてはフロントバンパー開口部の意匠などに限られると予想されます。
一方、インテリアではインパネ中央にスマートフォンと連携する8インチディスプレイを配置。あらゆる状況下で直感的に情報を把握することを可能にする7インチTFT液晶パネルとセグメント液晶パネルを組み合わせたデジタルメーターや、高いホールド性とフィット感をもたらすスポーツシートを採用。また、サーキット等でのスポーツドライビング時にテールスライドを許容する「トラックモード」やシートヒーターを装備しています。
■全幅、ホイールベースは現行モデルに準拠。排気量を2.4Lに拡大
新型の車両サイズは全長4,265(+25)mm、全幅1,775(±0)mm、全高1,310(-10)mmと、全長が延長されたほか、車高が若干低くなっており、全幅とホイールベースについては現行モデルと同等になっています。
現行の2.0L FA20型エンジン(207ps/21.6kgm)に代わり、2.4L水平対向4気筒エンジン(230ps/25.4kgm)を搭載。最高出力向上に加え、低中速域トルクの向上が図られており、吸排気性能の強化やフリクション低減により、レスポンス良く高回転まで滑らかに吹け上がるスポーツカーらしいフィーリングや力強い加速を実現。
プラットフォームは基本的に現行モデルからのキャリーオーバーとみられ、スバルが推進するSGP(スバル グローバル プラット フォーム)の考え方を取り入れた剛性アップが図られています。インナーフレーム構造や構造用接着剤などの採用により、ボディを再構築することで、フロント横曲げ剛性約60%増、ねじり剛性約50%増と大幅にボディ剛性が向上。
高張力鋼板の採用拡大などによりボディを強化するとともに、各種エアバッグをはじめとする乗員保護システムを強化することで、衝突安全性能が向上しています。
サスペンションは現行のフロント:ストラット、リヤ:ダブルウイッシュボーンを踏襲。
ルーフ、フード、フロントフェンダーに軽量なアルミ素材を採用することで、エンジン出力や安全性の向上に伴う重量増を抑制すると共に、前後左右重量の適正化や更なる低重心化により、ステアリング操作への応答性を高め、旋回時のトラクション性能が向上しています。
■米国向けBRZを来秋発売
トランスミッションは6速MT/ATを踏襲していますが、AT搭載車では、SPORTモードの制御が進化しており、クルマがスポーツ走行中と判断した際には、ドライバーの意思や操作に応じて、自動的に最適なシフト操作を行い、よりダイレクト感のあるコーナリングを可能にしています。
北米仕様には「プレミアム」と「リミテッド」の2グレードが設定されており、タイヤサイズは前者が215/45R17、後者が215/40R18となっています。
気になる国内仕様の車両価格は排気量アップに伴い、現行のBRZ(247.5~337.7万円)、トヨタ86(267.2~348.7万円)に対する価格上昇は避けられないと予想されます。
米国での発売は2021年秋を予定しているそうで、熟成が進んだFRスポーツ・新型スバル「BRZ」および姉妹車となる新型トヨタ「86」の国内発売が待たれます。
(Avanti Yasunori・画像/動画:SUBARU)
【関連リンク】
新型スバルBRZ情報
https://www.subaru.com/2022-brz
SUBARU BRZ
https://www.subaru.jp/brz/brz/
TOYOTA 86
https://toyota.jp/86/