■2020年11月23日に施行される、クルマの特定改造などの許可制度を活用!?
2019年5月に発売されたMAZDA3はマツダの第7世代商品群の第1弾であり、SUVのCX-30、MX-30とラインナップを拡充しています。
発売から約1年半後となる2020年11月19日、MAZDA3が初めて商品改良を受けました。今回の商品改良では、エクステリアとインテリアデザインにはほとんど手は入れられておらず、動力性能の向上、サスペンションの改良、先進安全装備のアップデートなど、主に走りの改良がメインとなっています。
この記事では、エンジンの出力、トルク向上についてお届けします。今回の一部改良は、燃費などの経済性を維持しながら走る喜びを高めるものになっています。
まず、マツダ独自のマイルドハイブリッドシステム「M ハイブリッド」が搭載された新世代ガソリンエンジン「e-SKYACTIV X」では、エンジンとトランスミッションを制御するソフトウェアをアップデートすることで、アクセル操作に対する応答性とコントロール性をより高め、上質でしなやかな走りをより実感できるそう。
今回の一部改良で、SKYACTIV-Xエンジン車の、車両後部につくパワートレーンの名称バッジが、マツダの電動化技術の総称である「e-SKYACTIV」を冠した「e-SKYACTIV X」に変更されています。
具体的には「SPCCI」の燃焼制御を最適化することで、ほぼすべてのエンジン回転域でトルクと出力を向上し、最高出力は132kW(180ps)から140kW(190ps)に高められ、最大トルクは224Nmから240Nmに向上しています。10PS/16Nmの向上は、常用域でもその効果が感じられるのではないでしょうか。
また、高応答エアサプライの過給を緻密に制御することで、素早いアクセル操作に対してより速やかに過給することにより応答性が高められたそう。
「e-SKYACTIV X」搭載車には、フロントフェンダーとリヤに「e-SKYACTIV X」専用のバッジが用意されます。
さらに注目なのは、一部改良後モデルだけでなく、既存の「SKYACTIV X」オーナーにもパワー、トルクアップ、応答性の向上などが無償でもたらされる見込みであることです。
ソフトウェアによるアップデートのため、どのような形になるかはタイミングが来たら明らかにされるそうですが、ソフトウェアのアップデートにより、上記のメニューが既存の「SKYACTIV X」搭載車にももたらされる見込み。
なお、国土交通省は2020年8月5日、同年11月(11月23日から施行)からクルマの特定改造などの許可制度を開始すると発表しており、マツダはその許可が下りるよう相談している、という状況のようです。
人気のディーゼルエンジンである「SKYACTIV-D 1.8」の出力向上も盛り込まれています。最高出力を85kW(116ps)から95kW(130ps)に向上。さらに、より広いエンジン回転域で力強いトルクを発揮する制御を行うことで、アクセルを踏み始めた瞬間の応答性が大幅に改善したそう。
これらにより、高速道路での合流や追い越しなど、アクセルを踏み増し、一気に加速するシーン(3000rpm~)において、より力強いトルクを瞬時に発揮するだけでなく、パワフルな加速を持続的に引き出すとしています。さらに、ディーゼルエンジンならではの高い経済性はそのままに、アクセル操作に対して遅れなくトルクを発揮し、ドライバーが意図したとおりにクルマが応答するように燃焼制御が見直されています。
なお、ディーゼルエンジンの既存車に対するアップデートについては、現時点(発表時点)でアナウンスできることはない、としています。
パワートレーン関連ではほかにも、6MTを「SKYACTIV-G 2.0」搭載車に追加しています。MAZDA3 FASTBACK(ファストバック)の「SKYACTIV-G 2.0」のガソリンエンジン搭載の2WD車にMTが加わったことで、MTならではの走りの楽しさをより手軽な価格で楽しめるのは朗報でしょう。
MAZDA3の価格帯は、222万1389円~368万8463円。なお、今回設定された「100周年特別記念車/100周年記念車WCDOTY記念モデル」の価格帯は、289万3869円~397万3343円です。
(塚田勝弘)