■セダン系を中心に車種を整理(~2025年)
トヨタ自動車では新車市場が低成長下にあるなか、年間150万台程度の国内販売に留まる可能性があると予測しており、縮小が避けられない状況において営業体制強化や車両開発の効率化を図るべく、国内向けの車種数を2025年までに兄弟車の統合などで30車種程度にまで半減させる方針を打ち出しています。
2018年11月にはトヨタ店やカローラ店など4系列あったトヨタブランドの販売会社が全ての車種を扱う「全店全車種販売」を決定、本年5月に実施に踏み切りました。
車種を半減させるにあたり、販売で苦戦している「セダン系」を対象に統廃合する方針で、すでに「マークX」を昨年12月に、レクサス「GS」を本年8月に生産を終了させており、さらにセダン系の「プレミオ」「アリオン」についても現行型で生産を終える方針のようです。
消費者の嗜好がこれまでと大きく変化しており、ライフスタイルに合わせて車種を選ぶ傾向が強まっているため、同社では限られた投資資源の中で、市場ニーズに合致した車種に開発を集中させる計画。
■クラウンも車種整理の対象に……
そうしたなか、噂によると現行「クラウン」についてもその対象となる模様。
2018年6月に発売された15代目では、60代以上が中心だった購入層の引き下げを目的に外観などを大幅に刷新したことで、当初は5万台を売り上げましたが、昨年の販売台数は3.6万台、本年は10月までで2万台弱の販売に留まっており、何らかの対応が必要な状況となっています。
そこでトヨタは同車の生産を現行型で終了し、SUV系の新型車に切り替える方針のようで、すでに2022年に投入する方向で最終調整に入っている模様。
SUV人気の高まりに対応しつつ、クラウンの持つブランドイメージを維持する戦略とみられ、新型車は北米や中国への投入も予定しているそうで、2023年からは米国でも生産する計画のようです。
米国向け「ハイランダー」のプラットフォームをベースに、車高については同車より低く設定する模様で、現行クラウンのイメージである「高級」「スポーティ」などの要素から予想すると、ハリアーより上級のクーペ型SUV、たとえばアウディ「Q3 スポーツバック」のような外観になる可能性もありそうです。
情報によると、国内の高速道路で米国仕様の「ハイランダー」を仮ナンバーでテストしている様子が目撃されているそうなので、新型SUVに関連する評価がすでに始まっているのかもしれません。
一方、これまでクラウンを愛用してきた国内ユーザーのために、新型SUV発売後も数年は現行型の生産・販売を続ける可能性も。
国内専売モデルとして1955年1月に発売され、「いつかはクラウン」のキャッチコピーで長年に渡って憧れの存在だった同車が車種整理の対象になるのは大変驚きですが、世界の主流がSUVに移行するなか、国内市場のみでセダンの販売を継続することが難しくなっている以上、止むを得ない判断だったのかもしれません。
トヨタの今後の動きが注目されます。
(Avanti Yasunori/画像:TOYOTA/AUDI)
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