「SクラスのSUV」新型メルセデス・ベンツ「GLS」の居住性・使い勝手は?

■2人掛けのサードシートは身長194cmまで対応!?

2020年3月22日に発表され、6月頃からデリバリーが開始されている新型メルセデス・ベンツGLS。2代目となる新型のサイズは、全長5220×全幅2030×全高1825mm、ホイールベースは3135mmとなっています。なお、GLSは「GL」と名乗っていた2006年から2016年の時期を含むと3世代目になります。

メルセデス・ベンツGLS
新型メルセデス・ベンツGLSのエクステリア

新型GLSは、エクステリア・インテリアのデザインが一新され、最新技術と装備が搭載されています。

インテリアには現行Aクラスで初導入された対話型インフォテインメントシステムの「MBUX」と、最新の安全運転支援システムが用意されています。

ラインアップは、今回試乗する機会を得た直列6気筒ディーゼルターボを積む「GLS 400 d 4MATIC」、V型8気筒ガソリンエンジンとの組み合わせでは日本初導入になる「ISG」が搭載された「GLS 580 4MATIC スポーツ」が設定されています。室内は巨体を活かしてとにかくゆったりしています。

メルセデス・ベンツGLS
新型GLSのフロントシート

前席は横方向も広々していて、全身を包むシートも大きく、高めのフロアは大型SUVらしい高いアイポイントをもたらします。2列目も堂々たるシートサイズに加えて、足元、頭上空間共に広く、身長180cmの人が前後席に4人座っても余裕は十分に残りそう。

メルセデス・ベンツGLS
3人掛けのセカンドシート

2人掛けのサードシートも収まってしまえば意外と座れる(なにせ194cmの身長の大人座れるという謳い文句)ものの、床から座面までの高さは低く、シートサイズも小ぶりになっているのは、致し方ないところでしょう。それでも巨体を活かして足元、頭上には比較的余裕があります。

乗降性は開口部の拡大により先代よりも改善していますが、それでもフロアが高く、開口部はかなり狭いため乗降時には大きく腰を屈める必要があります。この乗降性を考慮すると、フルサイズSUVのGLSとはいっても子ども用、短時間、非常用と割り切る必要はありそうです。

メルセデス・ベンツGLS
GLSのサードシート

サードシートとセカンドシートは背もたれをフラットに拡大できます。試乗車はサードシートの電動調整機構が不調で前倒しできませんでしたが、大きな荷物や長尺物を容易に積載できるのも美点です。3列目使用時の荷室容量は470Lで、セカンドシートとサードシートの両方を倒すと最大2400Lまで拡大します。

また、トランクスルー機構により積み込める横幅が72mm拡大され、長尺物もより簡単に出し入れできるようになっています。さらに、スイッチ操作によりリヤの車高が約50mm下がり、重い荷物や大きな荷物の出し入れもよりスムーズにできるようになったのも朗報といえそうです。

重厚でソフトな乗り心地、スムーズな直列6気筒ディーゼルターボを設定する新型GLS。ファミリーの使い方にマッチするキャビン、ラゲッジスペースなどが備えられていて、ボディサイズを許容できれば高い実用性も備えています。

(文/写真 塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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