■ベース車からスポーティになった外観と、最新の「MMIタッチディスプレイ」を採用
2020年10月にマイナーチェンジを受けたアウディA4。ブリスターフェンダーを備え、全幅が5mm拡幅されるなど、遠目で見ると一瞬A6と見紛うほどの堂々たるサイズ感を備えています。試乗車の「A4 アバント 35 TFSI advanced」は、全長4760×全幅1845×全高1435mm。ホイールベースは2825mm。
なお、新型にスイッチしているBMW 3シリーズツーリングは、全長4715×全幅1825×全高1470mm、ホイールベースは2850mm。メルセデス・ベンツCクラスステーションワゴンは、全長4705×全幅1810×全高1455mm、ホイールベースは2840mmとなっています。
従来からFF、もしくはクワトロとなるアウディA4は、FRベースのライバルよりもサイズが大きく、A4のマイナーチェンジモデルも同様となっています。
今回のマイナーチェンジでは、ドアパネルも含めてエクステリアの大半が変更され、試乗車の「advanced(アドバンスド)」でも、冒頭で触れたブリスターフェンダーやサイドスカートなどにより「S line」並のスポーティなエクステリアが与えられています。また、エクステリアは、エントリーグレードからLEDヘッドライトやハイグロスパッケージが標準化されていて、上質かつ先進的な佇まいになっています。「advanced」は、前後のLEDライトをはじめ、ダイナミックターンインディケーターも標準装備されています。なお「S line」には、専用バンパー、ハニカムメッシュグリル、ボンネットスリットによりスポーティな仕立てになっています。
一方、水平基調のインパネで目を惹くのは大型のMMIタッチディスプレイで、今回のマイナーチェンジでタッチコントロール式になったのが朗報。音響フィードバック付きとなるMMIタッチディスプレイは、先代モデルのセンターコンソールに設置されていたロータリー/プッシュボタンの機能が引き継がれ、高解像度TFTディスプレイのサイズは10.1インチ。フリーテキスト入力のMMI検索機能も備わり、素早く候補が表示されるのが特徴です。
さらに、フルデジタルの「アウディバーチャルコックピットプラス」が設定(ベースモデルではオプション)され、「マルチファンクションステアリングホイール」のステアリングスイッチの操作により、12.3インチディスプレイ上に、3種類あるビューモードのうち好みの1つを選択、表示することが可能。さらに、オプションのヘッドアップディスプレイには、走りに冠する情報が投影されます。
アウディらしく先進安全装備も充実しています。歩行者検知機能付の「アウディプレセンスシティ」をはじめ、「アダプティブクルーズコントロール(ACC)」、車線維持機能の「アクティブレーンアシスト」、斜め後方からの接近車両を知らせる「サイドアシスト」、リヤバンパーに埋め込まれたレーダーセンサーが事故の危険を察知すると、前席のシートベルトを電動モーターで巻き上げたり(リバーシブルベルトテンショナー)、ハザードランプを点灯させる「プレセンスリヤ」「リヤビューカメラ」、二次衝突を防ぐ「マルチコリジョンブレーキアシスト」などが標準装備されます。
前後席共にシートサイズの大きさも印象的で、とくに後席は頭上まわりに余裕があり、深めに腰掛けられる背もたれ、座面の角度になっています。なお、試乗車のアバントで気になる荷室容量は、通常時495Lで後席を前倒しすると1495Lまで拡大するほか、地上から開口部までは630mmと低く抑えられていて、積載性の高さも特徴です。
なお、試乗車の「A4 アバント 35 TFSI advanced」の車両本体価格は552万円で、9万円オプションカラー(テラグレーメタリック)、17万円の「Bang & Olufsen 3Dアドバンスドサウンドシステム」、23万円の「ラグジュアリーパッケージ」、11万円の「マトリクスLEDヘッドライトパッケージ」などの計84万円のオプションが装着されています。
(文:塚田 勝弘/写真:井上 誠)