車両本体価格500万円のハリアーが人気の理由は、輸入車SUVに肩を並べる質の高さを手に入れたこと【ドリキンの新車比較試乗】

●久しぶりに乗ったボルボは安全性に加えてさりげないオシャレさが魅力

ボルボ外装01
エアサスが絶妙な乗り味を生むXC60。

続いてはボルボXC60。そういえばボルボに乗るのは久しぶり。前に乗ったのはセダンだったし、SUVのXCシリーズに乗るのは初めてだ。

ボルボのイメージというと万が一事故を起こしても被害の少ないクルマ。そう、安全というイメージが強い。ボディもしっかりとしているから、車体剛性なんか見るとメルセデスよりもボルボのほうが事故の時に安全かなと思う。

エクステリアデザインもオシャレだけれどもちょっと控えめで知性的な感じ。そしてインテリアも同様に落ち着いた雰囲気が漂っている。これがスカンジナビアデザインの味なのかもしれない。派手さはないけれども作り込みの良さを感じる。こういうシンプルなデザインがボルボファンに指示されているのではないかな。決して実用主義ではなく、さりげないオシャレさをスパイスとしている。

ボルボ内装08
XC60をドライブするドリキン。

このXC60のB5インスクリプションというグレードは、2L直4ターボエンジンに欧州車で主流の48Vのマイルドハイブリッドシステムを搭載している。モーターのみでの走行はできないが、エンジンパワーの足りない部分をアシストしてくれる、いわゆるマイルドハイブリッッドだ。都内のフラットな場所を走行するのであれば、このパワートレインで全く不満はない。

このXC60 B5インスクリプションはハリアーより約200kgも重い車両重量が1890kgもあるにも関わらず、このマイルドハイブリッドシステムはスムーズに加速する。これが高速の上り坂とかだとどうなるのかなと気になるところだけれど、街乗りでは全く違和感は感じない。

ボルボ内装03
B5と呼ばれるユニットは2Lガソリンターボのマイルドハイブリッドシステムを搭載。

乗り味は非常にシットリとしていて、高級車に乗っているなと感じられる。800万円もするので当然高級車なのだけど、その乗り味はしっかりと発揮しているね。これはオプションで約30万円するエアサスペンションが装着されていることもあるのだけれど、この味付けが実に絶妙。

ただエアサスを装着しているのではなく、車重、ホイールベース、トレッドなどを考えた数値の上でこのエアサスのセッティングを出していると思う。このオプションは絶対おススメ。特に入力とかギャップの乗り越えた時の感覚とか「あー高級車だ」という味になっている。ギャップの吸収の仕方なんか上手いね。

ボルボ内装04
縦型のディスプレイをいち早く採用し先進性も特徴の一つ。
ボルボ内装05
クリスタルを使用したシフトノブでさりげない豪華さを演出。

ボルボが凄いなと思うのは、モデルを乗り替えてもスイッチの操作など迷わない。これは凄く大事なこと。初めてボルボ買った人でも、ボルボを乗り継いだ人でもそうだけど、このスイッチはなんだろうと悩んだりしなくていいよね。これは非常に大事。でも、800万円のクルマでテレスコの調整が手動というのはちょっといただけないな。これは電動にしてもらいたい。

ボルボ=安全なクルマというイメージからプラットフォームが一新されたXC90からオシャレという要素がプラスされた。この時代、安全なのは当たり前で、+αの付加価値というのがおしゃれ、デザイン性そして、新たに電動化というチャレンジを行っている。ボルボは運転しやすい。視認性もいいし、ボディの四隅もわかりやすい。さらにスイッチ類もわかりやすいし、操作しやすい。不安材料がない。これは大きいと思うな。

ボルボ内装07
余裕に溢れた居住性を実現したリアシート。
ボルボ内装06
本革シートを採用したフロントシート。

XC60 B5インスクリプションの諸費用を含めた乗り出し価格は約800万円。俺の感覚的にはちょっと高いかなと感じるな。それは、パワートレインが2Lターボのマイルドハイブリッドだから。それに800万円のクルマを選ぶ人は目が肥えている。したがって、単にイイ車では選んでくれない。

このボルボもモーターのみで走行できるハイブリッドだったら、納得できる。しかしプラグインハイブリッドになると1000万円近いからね。ボルボを選ぶ人にとっては目立たずイイ車に乗れる。そこが魅力。やはり周りの目を気にする人は結構いる。しかしそういう人にとってのボルボは本当に手に入れた時の満足度が高いと思う。それがボルボのイメージだから。

ボルボ内装01
ラゲージ容量は505Lを確保している。

今回は2台の売れ筋SUVを試乗したけれども、かつてセダンのポジションだったスタンダードカーの領域に入っている。これはSUV=趣味のクルマではなく、セダンと同じステータスを持ったということ。

ステアリングフィールや乗り心地はハリアー、ボルボXC60ともにセダンと同レベルに達している。どうしてもセダンでなければという人は別として、これまでセダンに乗っていた人も納得できる質感の高さを実現している。

(コメント:土屋圭市、まとめ・撮影:萩原文博)

この記事の著者

萩原 文博

萩原 文博 近影
クルマ好きの家庭教師の影響で、中学生の時にクルマ好きが開花。その後高校生になるとOPTIONと中古車情報誌を買い、免許証もないのに悪友と一緒にチューニングを妄想する日々を過ごしました。高校3年の受験直前に東京オートサロンを初体験。そして大学在学中に読みふけった中古車情報誌の編集部にアルバイトとして働き業界デビュー。その後、10年会社員を務めて、2006年からフリーランスとなりました。元々編集者なので、クルマの魅力だけでなく、クルマに関する情報を伝えられるように日々活動しています!