■今春 中国で「UX300e」を発売、年内に欧州市場でも
コンパクトSUV「C-HR」をベースとするレクサス最小のSUV「UX」は欧州で最も売れたレクサス車で、発売初年度には約2.5万台を販売。同車のEV版がレクサス「UX300e」となります。
レクサスブランド初となるEVで、中国を皮切りに市場投入(本年4月~)されており、年内には欧州市場の一部にも投入予定で、2021年には日本市場への投入が計画されています。
「UX」の2.0L直4エンジンに代わり、GA-Cプラットフォームの前部に204ps/30.6kgmを発生する高出力モーターを搭載しており、大容量リチウムイオンバッテリー(54.3kWh)により航続可能距離はNEDC(新欧州サイクル)で400km、WLTC(世界統一試験サイクル)で300kmを達成しています。
走行性能は0‐100km/h加速7.5秒、最高速度160km/h。
バッテリーには低/高温下でも正常に動作するように温度調整機能が設けられており、過充電防止システムや多重監視のセーフネットにより、高い信頼性を確保。バッテリーセル空冷システムにより、バッテリーパック内を冷気が循環することで急速充電を繰り返しても安定したバッテリー出力が得られます。
またラジエータグリルには、バッテリーの状態に応じて自動的に開閉するアクティブシャッターが設けられており、走行中、気流が冷却に必要な量を超えると、シャッターが閉じてグリルから入る気流を遮断。これにより車両の抗力係数も低減。
モーターやバッテリーなどの重量物を車体下部に配置することで重心を下げており、前後重量配分や慣性モーメントの最適化などにより、優れた車両の運動性能を実現。
EVならではの滑らかな加速フィーリングを追求すると共に、高周波数の風切り音を抑えるアコースティックガラスを装備するなど、遮音の徹底により、ロードノイズをシャットアウトすることで、100km/h巡航時の車室内騒音を58dB以下に抑制しています。
また、同車専用の「エアロベンチレーティング」デザインのアルミホイールはスポークの両側にフラップを備えることでブレーキの冷却効率を高めると共に、ボディ側面の空気の流れの乱れを抑える効果を発揮します。
トヨタ自動車ではレクサス「UX300e」について、グローバルで1,300台/月の販売目標を掲げており、中国における車両価格は約554万円~589万円の設定。
■「C‐HR」や姉妹車「IZOA」のEVも投入
同社は2030年までに「電動車の世界販売550万台以上」を目指しており、EV・FCVについては合計で100万台以上の販売を目標にしています。2020年以降、中国を皮切りにEVの導入を加速し、2020年代前半にグローバルでEVを10車種以上に拡大する計画(日本・インド・米国・欧州にも順次導入)。
本年4月には中国で「UX300e」を発売したのに加え、EV版の「C-HR」と姉妹車の「IZOA(イゾア)」についても発売しています。
このように、トヨタではこれまでのHVやPHVに留まらず、EVの市場投入にも力を入れており、来年に予定されている「UX300e」の日本導入が待たれます。
(Avanti Yasunori・画像:TOYOTA)
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