■スープラ対決も実現
開幕戦で劇的な優勝を遂げたTeam TOYOTIRES DRIFT-1の川畑選手ですが、8月22日・23日には、福島県エビスサーキットでD1GPの第2戦・第3戦に臨みました。
前日の公式練習日からDOSS(機械審査システム)の得点はまずまず。昨年だとセッティングに苦労して試行錯誤を繰り返す場面も多かったピットですが、今季は仕上がりもいいため、いたって順調です。公式練習日は、最後の詰めとして、最終コーナー手前の第1セクターの走りかたをいろいろ試すなどして終わりました。
そして第2戦決勝日。単走決勝1本目は、まずまずの振りや角度を見せたものの、審査席前の通過指定ゾーンを外してしまって高得点とはいかず、12位での単走通過となりました。
そして追走トーナメントではまず末永(直)選手と対戦。お互いに後追いでは相手をとらえきれない展開でしたが、先行時にいい走りをした川畑選手の勝ちとなりました。
そして川畑選手はベスト8で齋藤選手と対戦。D1GP初のGRスープラ対決となります。川畑選手は後追いで齋藤選手との距離を詰めましたが、2コーナーの先で待ちきれず、大きくインカットして姿勢も乱れ、失速気味になってしまいます。これで齋藤選手に大きくアドバンテージがつきました。
2本めは先行の川畑選手が齋藤選手を寄せつけませんでしたが、逆転には至らずベスト8敗退。7位に終わりました。
■ド迫力走行で単走1獲得
この大会はデュアルファイナルズのため、第3戦は第2戦の翌日に行われました。単走決勝、川畑選手は113.56km/hという高い車速をマークし、ものすごい勢いで最終コーナーを飛び出すと、ピットウォールにヒットするかと思われるラインでしたが、テールが流れるのを一瞬とめて回避すると振られることなく再び角度をつけ、強烈な踏みっぷりと高い車速、安定した姿勢を見せて99.40点を獲得。99.37点の小橋選手を抜いてトップに立ちました。
川畑選手はタイヤ温存のために2本めの走行をキャンセルしましたが、これ以上の走りをした選手は現れず、GRスープラになってからは初の単走優勝となりました。
追走トーナメントではまずベスト16で笹山選手と対戦。スピードを生かして勝利するとベスト8でまたしても末永(直)選手と対戦します。1本め先行の川畑選手はいい走りを見せましたが、わずかにピットウォールにテールをヒットさせてしまいます。また末永選手の寄せも見事で、7点のアドバンテージをとられました。
2本めは、川畑選手が終始近いドリフトを見せましたが、1本めにテールをヒットしていた影響もあって基準となるDOSS点が伸びなかったためアドバンテージは5にとどまり、惜敗してしまいました。最終順位は5位でした。
いっぽう同じくTeam TOYOTIRES DRIFT-1の藤野秀之選手は、昨年クルマをぶつけてしまった影響から、いまひとつ思いきりに欠ける走りでしたが、それでも持ち前の正確なコントロールで得点を稼ぎ、第2戦は6位、第3戦は4位に入りました。
なお、第2戦と第3戦は小橋選手が連続優勝。ポイントリーダーこそ小橋選手に譲りましたが、川畑選手もわずか2pts差の2位につけ、藤野選手もトップと7pts差の4位につけています。
川畑選手は「今日の対戦のなかでは先行で自分が壁にヒットさせてしまって、かなりアライメントが狂った状態で対戦したことによって、かなり詰め寄られてしまったので、そこはちょっと心残りですけど、次戦ではスープラのトラクション性能、タイヤの性能、エンジンパワー、そういったものがフルに生かせて、有利に戦えるんじゃないかと思います」と語っています。
D1GPの次戦は10月31日、11月1日の2日間、大分県オートポリスでのデュアルファイナルズになります。
(文:まめ蔵/写真:D1GP)