メルセデスAMGが1000PSを超えるハイパーカーの「Project ONE」の開発を推進

■1000PS超のモンスターハイブリッドモデル

メルセデスAMGが推進している「Project ONE」と呼ぶハイパーカーの開発が進んでいます。このほどメルセデスAMGは、新たなフェーズに入り、これまで以上に生産基準に近づいているとアナウンスしています。

テストは、テストベンチからテストコースに移して集中して行われるようになったそう。同プロジェクトでは初めて開発リーダーが735kW(1000PS)以上の最高出力を誇り、電動化された非常に複雑なハイブリッド・パワーユニットのテストも許可したそう。

メルセデス AMG
メルセデスAMGの「Project ONE」のハイパーカー

メルセデスAMGの「Project ONE」では、ダイナミックテストプログラムや走りの改良に加えて、アクティブエアロダイナミクスにも焦点を当てた開発を実施。

フロントフェンダーのエアアウトレット、大型のリヤエアロフォイルなど、さまざまなアクティブコンポーネントの複雑な相互作用は風洞外でも優れた横方向のダイナミクスを実現する手段として、その有効性を確認しているそうです。

メルセデス AMG
巨大なリヤウイングが印象的

「Project ONE」の狙いは、ドライビングダイナミクスとパフォーマンスの新たな次元に到達させ、クルマの歴史に新たなマイルストーンを設定するという大きな目標だそうで、メルセデスAMGでは徐々に近づいてきているとしています。

印象的なドライビングダイナミクスに加えて、日常的なパフォーマンスも兼ね備え、完全な電動での走行も可能にするというハイパーカーに、F1ドライブユニットを適合させるそう。開発チームは、騒音レベルなど多くの面で、同プロジェクトで未知の領域に踏み込み、粘り強さと卓越したエンジニアリングの専門知識を駆使して、シリーズとして成熟するまでに開発できるソリューションを発見したとしています。

メルセデス AMG
メルセデスAMG「Project ONE」の走行テスト

同プロジェクトのテスト車両で行われている大規模な動的なテストと並行して、メルセデスAMGの拠点では、この並外れたハイブリッド車の開発作業も続けられています。様々な車両システムが、エンジンテストベッドと社内のシミュレーターで入念に試されています。

広範なテストと開発プログラムの次のステップは、すでに明らかになっているそう。なお、「Project ONE」のハイパーカーの性能は、まもなくニュルブルクリンクの北ループでもテストされます。

1000PSといえば、PHEVのフェラーリSF90ストラダーレがありますが、メルセデスAMGの「Project ONE」も1000PS超、ハイブリッドという共通項があります。モンスタースポーツカーは新たなステージに移行するのでしょうか。

(塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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