第2戦富士で初優勝のロータス。実はデビューから速かった!【SUPER GT 2020】

■チームは10年ぶり、ロータスとしては初優勝となる第2戦富士

8月9日に無観客で開催されたSUPER GT2020第2戦「2020 AUTOBACS SUPER GT Round2 たかのこのホテル FUJI GT 300km RACE」。

SUPER GT第2戦富士で優勝チェッカーを受けるシンティアム・アップル・ロータス
SUPER GT2020第2戦富士で優勝チェッカーを受けるシンティアム・アップル・ロータス

このレースのGT300クラスはシンティアム・アップル・ロータスが優勝。チームとしては10年ぶり、ロータスとしては初優勝を飾りました。

予選3位からのスタート
予選3位からのスタート

無観客のため、レースクイーンのいないスターティンググリッドですが、予選3位というポジション自体はシンティアム・アップル・ロータスにとって2020シーズンの定番の位置になりつつあります。

トップ争いをするシンティアム・アップル・ロータス
トップ争いをするシンティアム・アップル・ロータス

予選3位から2位へ、そしてすべての作業を行いながらピットでの作業時間をトップから4秒以上も短縮してのコース復帰で見事にトップに立つなど、素晴らしいレース運びを見せてくれたシンティアム・アップル・ロータス。

優勝を歓ぶ加藤選手と柳田選手
優勝を歓ぶ加藤選手と柳田選手

チームとしては10年ぶりの優勝とされますが、シンティアム・アップル・ロータス、つまりLotus EVORA MCはそれまでの活躍がなかったわけではありません。

■登場時点から速かったシンティアム・アップル・ロータス

2015年にGTアソシエーションが提唱するマザーシャーシ規定に基づいて製作されたのがLotus EVORA MC、つまりシンティアム・アップル・ロータスです。

2016年鈴鹿1000kmレースのシンティアム・アップル・ロータス
2016年鈴鹿1000kmレースのシンティアム・アップル・ロータス

デビュー当初はトラブルも多く活躍の場を見せることも少なかったシンティアム・アップル・ロータスですが、2015年の鈴鹿1000kmでは7位入賞、オートポリス戦でドライバーラインナップを組み替えて臨んだ予選で、なんとポールポジションをつかみます。決勝レースはデブリを踏んでしまい完走扱いではありますが22位となります。

2016年鈴鹿1000kmレースのシンティアム・アップル・ロータス
2016年鈴鹿1000kmレースのシンティアム・アップル・ロータスは予選3位

2016年の鈴鹿1000kmでも予選3位をもぎ取ります。

牧野任祐選手
牧野任祐選手

この2016年の鈴鹿1000kmレースでシンティアム・アップル・ロータスからSUPER GTデビューとなったのが牧野任祐選手。予選Q1を担当した牧野任祐選手はコースレコードとなる1分57秒811を叩き出し、このレースの予選Q2や決勝を含めたすべてのタイムの中でのベストタイムを叩き出したのです。

2017年のシンティアム・アップル・ロータス
2017年のシンティアム・アップル・ロータス

2017年からは決勝レースでは目立った成績を残していなかったシンティアム・アップル・ロータスですが、予選ではかなりの確率でQ2進出を果たしているところは見逃せません。

2019年富士のシンティアム・アップル・ロータス
2019年富士のシンティアム・アップル・ロータス

シンティアム・アップル・ロータスは改造範囲の広いマザーシャーシ規格のためコースによってボディーパネルを変えてくるという荒業を見せてきます。特にフロントサイドのカナード形状に注目してください。

2019年鈴鹿のシンティアム・アップル・ロータス
2019年鈴鹿のシンティアム・アップル・ロータス

富士仕様と鈴鹿仕様ではフロントカナードの形状が全く違います。これは開発を担当するムーンクラフトの空力研究の成果とも言え、常に進化を繰り返しているのです。

シンティアム・アップル・ロータス
2020年のシンティアム・アップル・ロータス

デビュー当初からの高いポテンシャルをより高めてきた進化を経て2020年に一気に花を咲かせる勢いのシンティアム・アップル・ロータス。実は今年のSUPER GTの一番の注目チームかもしれません。

(写真・文:松永和浩)

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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