■会場は初の滋賀県奥伊吹モーターパークへ上陸!
2020年に20周年を迎えたD1GPが7月24日、滋賀県奥伊吹モーターパークにて開幕しました。
D1として初のスキーリゾート特設コースでの開催、ヘビーウエット、ナイター開催、無観客という、選手にとってはこれまでにない特殊で難しいコンディションでしたが、待ちに待った開幕戦ということで、全選手、チーム関係者、そして大会運営者、皆で力を合わせて素晴らしい大会が開催できたと思います。
注目どころは、2018年・2019年シリーズ連覇の横井昌志選手、昨年2位で今季は4ローター搭載のRX-7で挑む松井有紀夫選手、GRスープラ2号機を投入する川畑真人選手、そして新規参入のサイルンタイヤチームのエース日比野哲也選手らの活躍になります。
当日は無観客ながらもネットでのライブ配信が行なわれ、国内はもちろん中国向け配信では虎牙直播间チャンネルで126万人など、中国の4チャンネル合計で数百万人がライブ視聴したそうです。
今回も私は日比野哲也選手のスポッターをつとめました。シーズンに勢いをつける大事な開幕戦、いつも以上に緊張と責任感が重くのしかかります。
D1GPはDOSS(D1オリジナルスコアリングシステム)で評価され、観客にはわかりやすくシンプルな点数評価が公開されますが、実はスポッター側にはセクター毎にもっと細かく採点が表示されるので、それを短時間で読み説くのがなかなか大変です。
私はスポッターとしてDOSS評価の内容と刻々と変わる路面状況など、ドライバー自身から見えない情報を無線で伝えます。
特に今回は単走予選の1組目の一走り目が終わってから、急に雨脚が強まり、その後は雨が止まることなく降り続け、選手、チームともにその対応に追われることになりました。
そんな中ながら、日比野選手は単走で4位につけ、追走決勝で見事準優勝に輝きました! 川畑選手のGRスープラを、暗闇と激しい雨が開幕戦の決勝を独特な雰囲気に演出しました。
選手、チーム、サポート企業が一丸となっての開幕戦の好成績でしたが、私もスポッターとして少しはお役に立てたかなと思います。
そして、D1GPに先立ち7月23日には同じく奥伊吹モーターパークでD1ライツも開幕となり、私はチーム「バーニングコア 小倉クラッチ 773」のドライバーとして出場しました。
去年シェイクダウンだった80スープラは色々とテストを重ねて、大分体に馴染んできました。オフシーズンには新しいトレーニング方法を取り入れて、運転スタイルが進化したと思います。
今回は翌日のD1GPと同じコースを使うことから、D1GP選手も走るこのコースでぜひ良い結果を残したいと思って走りました。そして、天気がコロコロと変わる中、本番1本目をまとめることが出来ました。
2本目は速度をあげることにチャレンジしましたが、その分通過ラインがズレてしまい、結果は51台中21位でした。悔しい結果でしたが、自分の走りが確実にステップアップしていることが確認できました。
今回の私の走りは、7月に立ち上げたYouTube「塚本奈々美 DriftBox チャンネル」でも観て頂けます。ぜひアクセスして下さいね!
また、ブラジルの地上波テレビ2局が私に密着取材頂き、8月に番組がOAされます。こうしてドリフトの魅力が彼の地でも広く伝播してくれればと期待されます!
厳しい環境の中、なによりこうして大会が開催出来たことが嬉しく、走ることの出来る喜びを改めて実感した大会となりました。
(レーシングドライバー 塚本奈々美)
【関連リンク】
NANAMI TSUKAMOTO オフィシャルサイト
http://nana-jkb.com/