■手堅くベテランを起用してきた各チームのQ1
8月8~9日に富士スピードウェイで開催のSUPER GT 第2戦「たかのこのホテル FUJI GT 300km RACE」。8月8日には予選が開催されました。猛暑が予想されていた8日午後でしたが、天候は曇りのまま、気温も28度とこの時期にしては比較的過ごしやすい気候となりました。
予選Q1は2グループに分けて行われ、AグループのトップはSUBARU BRZ R&D SPORT。井口卓人選手は4周目で1分37秒011というタイムを出してきます。
昨年の覇者ARTA NSX GT3はベテラン高木真一選手が手堅くQ2進出。
開幕戦優勝の埼玉トヨペットGB GR Supra GTは60kgというウェイトハンデを背負いながらも7番手でQ2進出を果たしています。
B組のトップはシンティアム・アップル・ロータス。ドライブする柳田真孝選手はQ1最速、ただ一人の36秒台である1分36秒775を叩き出してきます。
ここで注目なのが、今年から新規参戦となったADVICS muta Racing INGINGのADVICS muta MC86。坂口良平選手が3番手タイムでQ2進出を果たします。
総じてQ1は、ベテラン勢が乗り込み確実にQ2進出を果たそうとする作戦が多いようです。
■Q2でルーキー大爆発! 初レギュラーの小高選手がポール奪取
ベテランがQ2進出を果たしルーキーにステアリングを託すという展開が多くのチームで見られたQ2.そこで今年のルーキーの強さをまざまざと見せつけられることとなります。
まずQ2中盤、コースインから4周目で1分36秒270を叩き出したのが小高 一斗選手。
その翌周に1分36秒378で食らいつくもそれ以上のタイムが出し切れなかった大湯 都史樹選手が予選2位となり、今年のルーキーが激しいポールポジション争いをしたことになります。
そこから最後の最後でベテランの意地を見せたのがシンティアム・アップル・ロータスの加藤 寛規選手。本当の最後の最後で3番手タイムを出した時にはチェッカーフラッグが振られている最中です。
予選8番手のリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rまでが1分36秒台という熾烈な争いの中、ADVICS muta MC86の小高選手の一撃はかなり強烈だったのではないでしょうか。
ルーキー大活躍の予選で全くもって予想が難しくなった9日の決勝レース。このままADVICS muta MC86が逃げ切るのか? 昨年の覇者ARTA NSX GT3が迫るのか?それとも今年になって速さを見せているシンティアム・アップル・ロータスがベテランの力を見せてくるのか?
本当に目が離せない決勝レースは無観客で9日13時スタートです。
(写真:松永和浩、吉見幸夫 文:松永和浩)