近い将来のブレイクが期待される、エヴァRT初号機 X Works・篠原拓朗選手【SUPER GT2020 助っ人ドライバーインタビュー】

●「崖っぷちドライバー」がついにスーパーGT参戦

年初より急激に拡散した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって人々の往来が厳しく制限されるようになった2020年。

その影響はもちろんモータースポーツも例外ではなく、ドイツツーリングカー選手権(DTM)と車両規則を共通化するなど、グローバルに展開しているスーパーGTにおいては、年間エントリーしていた元F1ドライバーをはじめとした外国人選手の入国が難しい状況にあります。

今回はそんなチームにとってもピンチな状況で、外国人選手に代わって起用された実力のある日本人ドライバーをご紹介していきます。第1回目はレーシングドライバーとしてはもちろん、そのルックスでWECセレモニーグリッドボーイの経験もある篠原拓朗選手にお話を伺いました。

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海外チームX Worksのドライバーとして起用された篠原拓朗選手

── まずは篠原選手の経歴を教えていただけますか?

「よろしくお願いします。篠原拓朗です。僕は6歳でカートを始めて16〜17歳の時に全日本カート選手権に出場していました。
その後2014年にスーパーFJにステップアップして、もてぎシリーズと東北シリーズでシリーズチャンピオンを獲らせていただいて、2015年からは3年間FIA-F4に参戦しました。
そして2018年にはスーパーGTでAudi Team HitotsuyamaさんのCドライバーとして全戦帯同し、昨シーズンはスーパー耐久のST-TCRクラスでシリーズチャンピオンを獲らせていただきました。」

── そして今回は助っ人ドライバーという形でスーパーGTに帰って来たわけですが、どういった経緯で今回乗ることになったんでしょうか?

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今回の起用は急遽きまったそう

「皆さん御存知の通り、今回のコロナの影響で33号車に乗るはずだったアレックス・アウ選手が香港から入国できないということになって、知人から僕のことを(Bドライバーとして)推薦してもいい?というお話をいただきました。
レース開催も結構間近な時期でバタバタな感じだったのですが、やはりスーパーGTは出たかったので『ぜひ!』っていうことでお願いしました。」

── 昨シーズンはスーパー耐久のST-TCRクラスでシリーズチャンピオン、そしてTCRJでもシリーズ2位ということで、同じAudiのマシンで大活躍されましたが、2018年の経験も含めて今回の起用につながったと思いますか?

「どうですかね?同じAudiとは言ってもTCRはFFですし、僕はR8 EVOは今回が乗るのは初めて、GT3での実戦も初めてです。2018年にルーキーテストは合格していましたが、そのシーズンは決勝を走れていなかったので今回もう1度ルーキーテストを受けなければなりませんでした(土曜の公式練習で実施、合格済み)」

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決勝ではセカンドスティントを担当。18位完走を果たした

「実際マシンに乗ってみて、まだレースは走ってないですけど(インタビューは土曜日に行いました)、GT3マシンは乗っていてすごく楽しかったですし、明日の予選・決勝に向けていいセット変更も提案できたので、そういう意味では今からすごく楽しみではあります。
そして僕を呼んで使ってくれたチームにも、少しは僕を呼んでよかったと思ってもらえてたら嬉しいですし、もっと頑張らなきゃなと思います。」

── 篠原選手に限らずですが、今回のコロナ禍は実はチャンスでもありますよね?

「はい。実際世の中では今回のコロナ騒動で苦しまれている方も大勢いらっしゃると思うんですけど、自分にとってはこうしていただけた大きなチャンスなので、このチャンスをしっかり逃さないように結果を出していきたいと思っています。」

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GT大先輩の荒選手と。こんな時なのでソーシャルディスタンスもしっかり取りつついろんな事を吸収する姿勢はさすがです

「初めてのGT3、初めてのスーパーGTということで自分の中でも緊張だったり嬉しさだったりいろいろな感情があるんですけど、まずはそういったものを落ち着かせて、次に繋がる走りができるように頑張りたいと思っています。」

── では最後にファンの方へメッセージをお願いします

「以前から応援してくださっている方々に対しては、やっとスーパーGTに乗れますっていうことを報告できて嬉しいです。でもこれがゴールではなくて、これから先もっともっと頑張ってスーパーGTをはじめいろんなところで活躍できるように頑張っていきますので、引き続き応援よろしくお願いします。」

FIA-F4を走っていた頃には「崖っぷちドライバー」なんていう事も自ら発信してきた篠原選手。

そのルックスとは対照的に、レーシングドライバーとしてストイックに自分を追い込む姿勢は、近い将来ブレイクすること間違いないでしょう。今からそんな篠原選手の走りに注目してみると、スーパーGT観戦の楽しみもまたひとつ増えますよね!

(H@ty)

【関連リンク】
篠原拓朗(しのはら たくろう)

・1994年11月20日生まれ
・神奈川県横浜市出身
・178cm65kg
・血液型:B型
・オフィシャルHP
http://www.takuro-shinohara.com/