■上質な変速フィールを味わうならD-CVTを積む「Gターボ」がオススメ
「DNGA」第3弾となるダイハツ・タフトが街を走り出しました。
第1弾は子育てファミリー層をメインターゲットに据えたタント、第2弾は登録車でコンパクトSUVのロッキー(トヨタ・ライズ)、第3弾のタフトは、キャンプなどのアウトドアレジャーなどを好むアクティブなユーザーを主な顧客層としています。
NAモデルでも街中中心であれば動力性能に不足はなく、「G」「Gターボ」に用意される「D assist」切り替えスイッチ(PWR)をオンにすれば、幹線道路などへの合流時でも力強いダッシュを披露してくれます。
ただしNAエンジン仕様は、アクセルを深く踏み込むと音が先に高まり、加速が後から付いていくという、いわゆる「ラバーバンドフィール」といわれるCVTらしい変速フィールになるのが少し気になるところ。
●乗り心地の良さも印象的
ターボ(「Gターボ」)にはスプリットギヤが採用されたD-CVT(通常のベルト駆動に加えてギヤ駆動の組み合わせ)が搭載されていますから、こうしたCVTの瑕疵はかなり抑え込まれています。アクセルペダルの動きに合わせてスムーズな加速感があり、かつ、欲しい加速感が遅れることなく得られる印象。
一方で、ストップ&ゴーの多い街中だと、ターボの過給が始まる前に赤信号につかまってしまうというシーンもあり、先述したようにシティユースであればNAでも十分。
しかし、レジャーニーズをメインターゲットに据えているタフトだけに、キャンプやアクティビティの足としてアクティブに使う方も多いはず。
NAエンジン車の52PS/3600rpmのスペックより12PS/40Nm上回る、ターボ車の64PS/100Nmという余裕は、とくに郊外路や高速道路、山岳路などで威力を発揮するはず。タフトに多くの荷物を載せてアクティブに使い倒すという方は、ターボを選んだ方が無難です。また、先述したようにD-CVTの恩恵は、街中よりも飛ばすシーンで実感できます。
全高1630mmという比較的高めのタフトは走行安定性も高く、1835mmのウェイクが走行安定性や横風などの外乱に対応するためか、コーナリングでは高速道路や山岳路でなくても曲がりにくく感じることもありますが、「DNGA」を使うタフトは素直な回頭性。街中レベルであれば高い安定性に終始します。
同時に、前後席共に乗り心地も比較的フラットで、ダイハツらしく静粛性の高さも印象的です。
ライバルのスズキ・ハスラーは、初代登場時に路面からの突き上げが大きめに感じられ、2代目では初代よりも上質になっています。同じコースや条件下で乗り比べたわけではありませんが、タウンユースでは快適な乗り味を実現しています。
(文/塚田勝弘・写真/井上 誠)