電動化攻勢を仕掛けるメルセデス・ベンツ。VクラスのEV仕様、新型EQVがドイツで発売

■約418kmの航続距離と6〜8人乗りの多人数乗車を両立

欧州勢の電動化(バッテリーEV/PHV、ハイブリッドなど)は、乗用車のみならず商用車にも拡大しています。世界的に厳しくなる燃費規制に対応する必要があります。

2020年5月末からメルセデス・ベンツは、ドイツでEVの「EQV」の販売を開始しています。まず、発売されたのはロングホイールベースの「EQV 300」で、後日、「EQV」のエクストラロングバージョンも加わっています。

メルセデス・ベンツ EQC
メルセデス・ベンツVクラスのEV仕様「EQV」

ロングホイールベース仕様の航続距離は約418kmで、急速充電機能を標準化しています。メルセデス・ベンツEQVの価格は71,388.10ユーロ(約880万6000円/19%の付加価値税を含む)からとなっています。バッテリー容量は90kWhで、航続距離は約418kmを実現するそう。

メルセデス・ベンツ EQV
メルセデス・ベンツEQVの充電イメージ

フロントアクスルには、電動ドライブトレイン(eATS)が配置され、最高出力は150kW(204PS)に達します。リチウムイオンバッテリーはアンダーボディに搭載され、最大362Nmの最大トルクを発揮。最高速度は標準仕様で140km/h、オプションで160km/hに達し、郊外路でも運動性能を確保。

メルセデス・ベンツ EQV
メルセデス・ベンツEQVのインテリア

EQVには、出力11kWのAC水冷式車載充電器(OBL)が搭載され、自宅や公共の充電スタンドで交流充電が可能になっています。EQVの充電は、左上のバンパーに設置されている車両用ソケットを経由して行われ、直流(DC)での充電も可能。

急速充電ステーションでの標準最大充電容量は110kWで、約45分で10~80%の充電が可能になるそう。さらに、走行中でも充電が可能で、パドルシフトで回生量の設定もできます。

メルセデス・ベンツ EQV
メルセデス・ベンツEQVのフロントシート

シート配列は、6人、7人、8人乗りが設定され、インテリアではEQ専用の「MBUX」も搭載されます。「MBUX」と「Mercedes me」アプリを連携させることで、目的地設定をはじめ、車内温度の設定も可能になるそう。

メルセデス・ベンツ EQV
メルセデス・ベンツEQVには、「MBUX」が搭載されている

また、EQシリーズにふさわしい、先進的なエクステリアデザインは、クロームフィンを備えたブラックパネルグリルとクリアなサイドビューも特徴になっています。

日本には、EQシリーズの第1弾としてEQCが発売されていて、第2弾のEQVも上陸するか気になるところですが、2020年7月24日時点で同モデルについてのアナウンスはされていません。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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