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■2020年上半期新車販売台数5万8492台でライズがトップに輝く
2019年11月にデビューした、トヨタのSUVラインアップの中で最小サイズとなるライズ。
一般社団法人日本自動車販売協会連合会が発表している新車販売台数データでは、販売開始直後の2020年1月〜2月に続いて6月もトップとなり、カローラを抑えて2020年1〜6月の上半期No.1となりました。
コロナウイルス感染症拡大などにより、厳しい状況下でも好調なセールスを続けるヒットモデルのライズを、ドリキンこと土屋圭市氏がその実力に迫ります。さらに、同じ1Lターボエンジンを搭載したVW T-CROSSとの比較を行い、一体どのようなジャッジを下したのでしょうか。
試乗したクルマのスペックです。
●トヨタライズ Z 2WD (CVT) 車両本体価格206万円
全長3995mm×1695mm×1620mm、ホイールベース2525mm、車両重量980kg、エンジン種類 直列3気筒ターボ、総排気量996cc、最高出力98ps/6000rpm、最大トルク140Nm/2400〜4000rpm、使用燃料レギュラーガソリンン、WLTCモード燃費18.6km/L、サスペンション F:マクファーソンストラット式 R:トーションビーム式、最小回転半径5m
●VW T-CROSS TSI 1st プラス2WD(7速AT)車両本体価格339万9000円
全長4115mm×1760mm×1580mm、ホイールベース2525mm、車両重量1270kg、エンジン種類 直列3気筒ターボ、総排気量999cc、最高出力116ps/5000〜5500rpm、最大トルク200Nm/2000〜3500rpm、使用燃料ハイオクガソリンン、WLTCモード燃費16.9km/L、サスペンション F:マクファーソンストラット式 R:トレーリングアーム式、最小回転半径5.1m
■ドリキン・土屋圭市のコメントは?
SUVと聞いてイメージするのは、ランドクルーザーやパジェロといったクロカン4WDだよ。でも新型のセールスが好調なハリアーが登場したことで、市場は変わったと思う。
クロカンの優れた使い勝手と乗用車のような乗り味を実現したSUVがユーザーに支持されているというのが証明された形だよね。
今回用意したトヨタ・ライズとVW・T-CROSSは2WD車。ライズは4WDも用意されているけれど、T-CROSSに4WD車は設定されていない。ライズは降雪地のユーザーも視野に入れているけど、T-CROSSには割り切りを感じる。個人的にはSUVの2WD車はアリだと思う。クルマで雪山や砂浜に行く人の割合ってどれくらいいるのかな? と思うから。
そういう人や降雪地に住んでいる人は4WDが必要だけど、都市型SUVと割り切るならば2WDで十分でしょう。雪山に行くなら、スタッドレスタイヤを装着すればスキー場の駐車場までは行けると思うしね。
それ以上にこういったSUVのスタイルがファッションアイテムとして認められているということ。ジムニーが大ヒットしていて、購入するユーザーに女性が多いということもSUVのスタイルがファッションアイテムとして認知されているという証拠だと思う。
こういった傾向は個人的にはウェルカム。多くの人がクルマに興味をもってくれるということだから。
それではライズとT-CROSSをチェックしよう。
同じ1Lターボを搭載し、トヨタ、VWのエントリーSUVという同じポジションのライズとT-CROSS。車両本体価格はライズが206万円、T-CROSSは339万9000円と約130万円の価格差がある。
外観を見ても、T-CROSSは300万円台のクルマという質感の高さを感じるね。フロントグリルのメッキの使い方も上手だし、見せたくない部分・ラジエターをキレイに隠して、メッキパーツを使って上手にまとめている。このような細かい配慮が積み重なって高級感を演出しているのは実に上手だと思う。
このように書くとライズは安っぽいの?と思う人がいるかもしれない。でもそういうことはまったく感じない。逆に200万円でココまで仕上げていることに驚くよ。
もう200万円といったら軽自動車のスーパーハイトワゴンと変わらない価格帯。厳しい予算の制約がある中で、5ナンバーサイズのコンパクトSUVというパッケージングを実現させたことがスゴイね。
外観そして内装もそつなく仕上がっている。これは売れると思うな。VW T-CROSSは外観だけでなく、内装もオシャレで質感は高く感じる。そのうえ遊び心もあるよね。こういった部分にも+100万円の効果は表れていると思う。それでは、インプレションをしてみよう。