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■アップタウンの可愛いアスリート
おしゃれで都会的なデザインに似合わず、ランブレッタV125 Specialの峠走りはちょっとハードな本気モードです。
空冷4ストローク単気筒124.7ccエンジンの出力は、ほどよい10ps。驚くようなパワーではありませんが、電子制御燃料噴射システムが生み出す分厚くフラットな出力特性のおかげで、出足から巡航速度到達まで途切れることなくスムーズなパワーフィーリングが続きます。
どこか男くささを感じさせる野太いエキゾースト・サウンドも、走りの気分をぐっと盛り上げてくれますね。
自動遠心クラッチは発進加速時には瞬時につながり滑らかに加速しますが、クルージングからの加速では、ほんの少しタイムラグが。この独特のモタり感をディレイ(遅れ)と感じるか、ラフなスロットルワークでもしゃくらず運転しやすいと感じるかはライダーの好み次第といったところでしょうか。
■本気でスポーツできるサス&ブレーキ
ブレーキは前後とも油圧式ディスク。効き味は申し分なく、十分なストッピングパワーがありますが、レバーの握り込みが浅くタッチも固いため、コントローラブルとまではいえません。
でも限界付近まで握り込んだときには、タイヤからロック寸前のインフォメーションがしっかり伝わってくるのでハードブレーキングにも不安はありません。とはいえABSが付いていませんから、ブレーキはできるだけ慎重に使いたいですね。
サスペンションは見かけによらずガッチリ硬めの味付け。乗り心地もかなりハードです。ワインディングのクイックなコーナリングでも、よじれずしっかり踏ん張ってくれる逞しいサスですが、ギャップで突き上げられると弾みやすいので、路面変化には少し注意が必要かもしれません。
■しっかりスポーツできる運動性能
乗り味には普通のスクーター風のヒラヒラ感はありません。むしろ車格のわりに直進安定性が強く、意外に寝かし込みが重いと感じるライダーのほうが多いかもしれませんね。やや後ろ寄りに体重をあずけ、リアタイヤに乗るイメージで走ると曲げやすいようでした。
ストレート・エンドのブレーキングからぐっと深く寝かし込み、いったんリーン・アングルを決めてしまえば、車体はそのままぴたりと安定します。コーナリングは力強く、トルク感たっぷり。スポーツバイク上級者も納得の素晴らしい走りが楽しめます。
ランブレッタ V125 Specialは、かわいい見た目の内側にあふれる走りの情熱を秘めたマシン。どこまでもスタイリッシュな熱きイタリアン・モーターサイクルなのです。
【ランブレッタ V125スペシャル主要諸元】
全長×全幅×全高:1890mm×735mm×1115mm
シート高:770mm
エンジン種類:空冷4ストロークOHC2バルブ単気筒
総排気量:124.6cc
最高出力/最大トルク:7.5kW/0.94kgm
燃料タンク容量:6.0ℓ
タイヤ(前・後):110/70-12・120/70-12
ブレーキ:前後ディスクブレーキ
メーカー希望小売価格:41万円(税込)
(写真:高橋克也 文:村上菜つみ)
車両協力:バックカントリーモーターサイクル
所在地:〒607-8261 京都府京都市山科区小野鐘付田町8-1第2ロイヤルハイツ和田
営業時間:10:30~20:00
電話: 075-573-0253
https://www.facebook.com/BackcountryMotorcycle/
【関連リンク】
ランブレッタ Official Site
https://sygnhouse.jp/products/lambretta/lambretta-lineup/
・村上菜つみさんがランブレッタ・V125スペシャルで出かけたツーリング記事は、月刊誌「モトチャンプ」2020年7月号(6月6日発売)に掲載されています。
モトチャンプ2020年7月号
https://www.sun-a.com/magazine/detail.php?pid=11389