■最新の「Advanced Drive」を搭載し、ドライバー監視化での部分自動運転を実現
レクサスは最上級セダンである新型LS(マイナーチェンジ)を発表しました。日本での発売は、2020年初冬の予定と明らかにしています。
1989年に発売された初代レクサスLSは、世界の自動車メーカーに衝撃を与えた高い静粛性をはじめとした高い技術により、フラッグシップセダンとして30年以上に渡り、90以上の国や地域で累計約87万台を販売しているそうです。
現行型は2017年にした5代目で、度重なるマイナーチェンジ(イヤーチェンジ)などで乗り心地などを改善。輸入車のように熟成を重ねてきました。
●「Advanced Drive」と「Advanced Park」を新たに採用
今回発表された新型LSでは、最新の高度運転支援技術である「Lexus Teammate」の採用がトピックス。ここでは、先進安全装備について触れたいと思います。
レクサスでは、新型LSの開発において、乗員に安心感を与える運転支援を実現する上で必要不可欠な車両の高い基本性能を徹底的に磨き上げ、ディープラーニングを中心としたAI技術も投入したとしています。
これは運転中に遭遇しうる様々な状況を予測し、対応することを支援する技術。さらに凄腕ドライバー(トヨタの凄腕技能養成部に所属する開発ドライバー。車両の性能評価、開発や人材育成を担当)の運転操作が採用されたシステム制御にこだわることで、複雑な道路状況下でも安全性と優れた走行安定性を実現するものです。
「Lexus Teammate」の具体的な装備では「Advanced Drive」と「Advanced Park」が採用されています。
前者は「Mobility Teammate Concept」に基づいた最新の高度運転支援技術により、高速道路などの自動車専用道路での運転においてドライバー監視を条件に、交通状況に応じて車載システムが適切に認知、判断、操作を支援し、車線・車間維持、分岐、レーンチェンジ、追い越しなどを実現する自動運転技術。
後者には、最新の高度駐車支援技術により、ドライバー監視のもとカメラと超音波センサーを融合し全周囲を監視することで、適切に認知、判断、操作を支援。
ハンドル操作、アクセルとブレーキ操作、そしてシフトチェンジの全操作を車両が支援。俯瞰映像に切り返し位置や目標駐車位置を常に表示し、安心、安全で、スムーズな駐車を実現するとしています。
そのほか、レクサスRXと同様に、ブレードスキャンアダプティブハイビームシステム(AHS)が採用され、新型ハリアーにも設定されているデジタルインナーミラーなども用意されます。
ブレードスキャンAHSは、光源であるLEDからの光を高速で回転するブレードミラーに照射し、ブレードミラーに反射した光が、レンズを介して高速移動しながら前方を照らす新機構のAHS。
残像効果で光は動いているように見えないものの、ブレードミラーの回転に同期させて、LEDの光を適切なタイミングで点灯、消灯することで、配光を細かく制御することが可能だそう。
これにより、従来のAHSより細かい遮光を実現し、ハイビームの照射範囲を広げることで、対向車や先行車を眩惑することなく早く歩行者や標識を認識することができます。
(塚田勝弘)