テスラ モデル3が土つかずの3連勝。EVによるレース・JEVRA第3戦がスポーツランドSUGOで開催

■テスラモデル3に乗る地頭所光選手が開幕3連勝

11年目を迎えるJEVRA(日本電気自動車レース協会)主催のEVレース・シリーズである「ALL JAPAN EV-GP SERIES」の第3戦が、宮城県にあるスポーツランドSUGOで7月5日(日)に開催されました。

チェッカー
2位のTAKAさん選手を43秒引き離してのぶっちぎりの優勝は地頭所光選手です。地頭所選手は今季3連勝を達成です

EV-1(市販車クラス:モーター最大出力201kW以上)クラスにテスラ3車種4台が参戦、そしてEV-2(市販車クラス:モーター最大出力151kW以上201kW未満)クラスのリーフe+、そしてEV-R(市販車クラス:レンジエクステンダー/発電をエンジンで行う車両)クラスへ2台のノートeパワーと、今回は少し台数が少なく、計7台のレースとなりました。

今回も新型コロナウィルス感染予防および拡大防止に向け、場内入場時には体温測定、そして場内でのマスクの着用、手洗い、アルコール消毒の徹底を行っており、ドライバーブリーフィングは事前の書面で確認することとなっています。

JEVRA3予選セッション
どんどん濃くなっていく霧の中での予選セッションとなりました

JEVRAレースは、通常午前中に予選セッション、充電のためのインターバルの後、夕方に決勝レースというスケジュールですが、今回は午前8時半から予選、そして正午から決勝スタート進行というスケジュールとなっています。

JEVRA3予選ポール#1
予選ポールは地頭所 光(#1 TAISAN 東大 UP TESLA 3/テスラ モデル3/EV-1クラス)選手の1分45秒495

この午前中に行われた15分間の予選セッションでは、菅生周辺は、宮城県全域で出されている濃霧注意報そのままの濃い霧に包まれており、路面はウエット状態でのセッションとなりました。

この予選セッションでは、セッションスタートと同時に地頭所 光選手(#1 TAISAN 東大 UP TESLA 3/テスラ モデル3/EV-1クラス)からコースイン。その地頭所選手は計測最初のラップで1分45秒495というタイムでこのセッションの最速タイムを出してポールポジションを獲得。地頭所選手はその後タイヤを交換して、午後の決勝用の新品タイヤの皮むきをする余裕ぶりです。

JEVRA3予選2位#33
予選2番手は、TAKAさん(#33 適当LifeアトリエModel3/テスラ モデル3/EV-1クラス)選手。2分2秒540

その地頭所選手のタイムから離されること17秒という2分2秒540で、TAKAさん(#33 適当LifeアトリエModel3/テスラ モデル3/EV-1クラス)選手が2番手に入りました。TAKAさんはこのSUGOのコースは初走行で、グリッドはそれほど重要でないということから、シミュレータとリアルのコースの違いを確認しながらの予選走行でした。

JEVRA3予選3位#88
EV-Rクラスは、廣瀬多喜雄(#55 ノート e-Power Nismo S)選手が2分22秒407で予選6番手

3番手には、レーサー鹿島(#88 東洋電産・LEAF e+/日産リーフ/EV-2クラス)選手が2分4秒199で3番手に入りました。鹿島選手も「頑張ればもう少しタイムは削れたんですが、タイヤがズルズルだったのでボードを見ながら走行しました」とまずは予選を何事もなく終えることに専念。

今回2台が参戦するEV-Rクラスでは、廣瀬多喜雄(#55 ノート e-Power Nismo S)選手が2分22秒407で6番手に入りました。

グリッド
グリッドでボードを掲げてくれるのは、スポーツランドSUGOの2020 SUGO RACE QUEEN 木村里佳子さん

そして3時間半のインターバルの後、決勝レースがスタートします。50kmのレース距離で行われる今回、SUGOのコース(1周3.586m)を14周でのレースとなります。

予選セッションでは濃霧に悩まされましたが、この決勝までに多少状況は改善し、コース後半部分の路面はドライへと変わっていきました。ただ霧は晴れないままにレースはスタート。

ホールショット
スタートして2台のテスラ モデル3が並びましたが、地頭所選手がここで前に

このスタートで若干出遅れた地頭所選手は1コーナーの進入でTAKAさん選手に並ばれるも辛くも抑えきり、以後それぞれが完全に単独走行となっていきます。3番手も、3番グリッドスタートのレーサー鹿島選手が、1コーナーで一度は4番グリッドスタートの木村龍祐(#2 TAISAN UP TESLA RS/テスラ ロードスター/EV-1)選手に並ばれるものの、その後は単独走行でそのままチェッカー。

この3名ともが「SUGOのコースは楽しい」とスポーツ走行を楽しんだような感想となってしまいました。鹿島選手は、全長4km超えのサーキットはこのSUGOと富士のみということで、その最終戦となる富士戦でのレースを見据えた走行シミュレーションを試していた様子。さらに高負荷をかけての足回りのセットを確認するなど、準備に余念がありませんでした。

1位 #1 地頭所光選手
地頭所光選手のテスラ モデル3

4位争いは、木村選手のテスラロードスターが充電トラブルのため、バッテリー容量の半分ほどしか充電できなかったことからレースにならず、5番手スタートの千葉栄二(#0 TAISAN UP TESLA S/テスラ モデルS/EV-1)選手が順位を上げてレースを終えています。

2位 #33 TAKAさん選手
TAKAさん選手のテスラ モデル3

EV-Rクラスのノートeパワーですが、6位の廣瀬多喜雄(#55 ノートe-Power Nismo S)選手は最終ラップでガス欠のためマシンを止め、7位の大野博美(#6 Auction Direct ノートeパワー)選手はマシンから異音がしたということでマシンをピットに戻し、ともにチェッカーを受けることができず、という結果となりました。

3位 #88 レーサー鹿島選手
レーサー鹿島選手の日産リーフ

今シーズン全7戦で行われるJEVRAシリーズですが、次回は8月9日(日)に茨木県にある筑波サーキットで開催となります「全日本 筑波 EV 55Kmレース大会」となります。今季2度目の筑波サーキットでの開催となるため、レース距離は前回第2戦の50kmから55kmに延長されてのレースとなります。

表彰台
表彰台には、テスラモデル3の地頭所選手、TAKAさん選手、そしてリーフで参戦のレーサー鹿島選手

この記事の著者

青山 義明 近影

青山 義明

編集プロダクションを渡り歩くうちに、なんとなく身に着けたスキルで、4輪2輪関係なく写真を撮ったり原稿書いたり、たまに編集作業をしたりしてこの業界の片隅で生きてます。現在は愛知と神奈川の2拠点をベースに、ローカルレースや障がい者モータースポーツを中心に取材活動中。
日本モータースポーツ記者会所属。
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