■コロナ対策にも積極的に取り組む
2020年のボッシュ(日本)年次記者会見は、新型コロナウィルスの影響を受けて、ライブストリーミングという形式で行われました。
その会見のなかでは、当然自動車関連のことについての中心になっていましたが、自動車とは別の部での説明も行われました。
まず、新型コロナウィルス対策として、ボッシュで従業員向けにマスクの製造が行われていることが紹介されました。
ボッシュの専用工作機械部門により、マスク製造ラインの設計については第三者に無償提供することも可能になっているといいます。ドイツとアメリカでは、工場で勤務する従業員向けの消毒液が製造されていることが紹介されました。
ボッシュは各種の電子製品が有名なメーカーです。このノウハウを活かしてコロナウィルスの迅速検査システムの開発にも乗り出し、現在完全自動でわずか2時間半で結果が判明する新型コロナウイルス感染症の迅速検査システムを開発しています。
この検査はヨーロッパ地区で使えるものです。さらに高速での検査を可能にする機器も開発中で、45分で結果が判明するシステムも開発最終段階に入っているとのことです。
ボッシュは農業分野にも進出しています。
ボッシュが開発したプランテクトというシステムは、ハウス農業向けの環境モニタリング&AI活用の病害予測サービスです。ハウス内に設置した温度湿度センサー、二酸化炭素センサー、日照センサーによりハウス内の環境をモニタリング、各種の情報を元に、AIによって病害の発生リスクを利用者に知らせるというものです。
利用者はWi-Fi経由で送られてくる情報をスマホやパソコンで受信して利用、農薬散布のタイミングなどを正確に把握できます。
ソフトウエアのアップデートも進んでいて、現在3品目8種の病害予測を提供。日本国内ではエンドユーザーのみならず、企業や団体での利用も増加、さらに海外への輸出も始まっています。
(文/諸星陽一)
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