■大きなダイヤモンドラジエーターグリルが圧倒的な存在感を発揮
2019年の2代目GLEに続き、クーペ風味が加えられたクロスオーバーのGLEクーペも新型にスイッチしました。GLEは、Mクラスの名でアメリカを中心に世界で支持されてきたアッパーミドルクラスのSUVです。
2代目GLEクーペは、全長4955×全幅2020×全高1715mmという堂々たる体躯は、日本ではもはやフルサイズと言いたくなる大きさ。
先代よりも全長は65mm長く、全幅は5mmワイドで、全高は15mm低くなっています。さらに、ホイールベースは2935mmで、先代よりも20mm長くなっていますが、GLEよりも60mm短いため、スポーティな見た目と走りがアピールポイントです。
■ISG搭載モデルは電動スーパーチャージャーも備える
エクステリアで目を惹くのは、大きなダイヤモンドラジエーターグリルと、先代からよりもスマートになったリヤコンビランプ。クーペを名乗るだけあって厚みのあるボディに、流麗なラインを描く小さめのキャビンなど、写真を見る限りスタイリッシュな仕上がりになっています。
搭載されるエンジンは「GLE 400 d 4MATIC クーペ スポーツ」に、3.0L直列6気筒クリーンディーゼルを搭載。さらに、3.0L直列6気筒エンジンとISG(インテグレーテッド・ スターター・ジェネレーター)、48Vマイルドハイブリッド、電動スーパーチャージャーが組み合わされた「メルセデスAMG GLE 53 4MATIC+ クーペ(ISG搭載モデル)」を設定。
後者は可変トルク配分を行う、パフォーマンス志向の四輪駆動システム「AMG 4MATIC+」となっています。
インテリアも外観同様、現行Eクラス以降の最新のデザインが与えられています。ダッシュボードに「12.3インチワイドディスプレイ」と「12.3インチコックピットディスプレイ」を用意。1枚のガラスカバーで融合することで、ワイドに見えるディスプレイが特徴。
SUVらしい装備として、センターコンソールに大きなグラブハンドルが配されています。さらに、インパネで目を惹く4つの四角いエアベントは、標準仕様のフロントグリルルーバーの意匠がモチーフだそう。
クーペクロスオーバーで気になるのは、後席の広さでしょう。先述したように、先代よりもホイールベースが 20mmストレッチされたことで、後席足元スペースなど車内は広くなったそう。加えて、開口部が広くなり、乗降性が向上。また、キャビンの収納スペースの容量も計40Lまで増加しています。
荷室容量もしっかり確保されています。通常時でも655Lとかなり大きく、最大時は1790Lまで拡大。先代から70L増加しています。
また、「AIRMATICサスペンション」の標準化により、ボタンを押すだけでテールエンドを50mm下げる機能も用意されていて、大きな荷物や重い荷物などを載せ降ろしする際に重宝しそうです。
装備では、対話型インフォテインメントシステムの「MBUX」やテレマティクスサービスの「Mercedes me connect」などを標準装備。ユニークなのが「エナジャイジング コンフォート」で、ヒーターやパフュームアトマイザー、シート設定、照明、音楽などのシステムを統合的にコントロールする機能で、乗員の快適性を向上させます。
「リフレッシュ」や「バイタリティー」、「トレーニング」の3つのプログラムから選択することが可能。さらに、「エナジャイジング コーチ」機能を使うと、走行時間などを加味したうえで、Garmin(ガーミン)製スマートウォッチを装着すると、ドライバーのストレスレベルや睡眠の質などの個人データも活用し、 運転手をサポートするモードまで提案するそうです。
ロングドライブも苦にならないはずの新型GLEクーペですから、先進安全装備も含めて頼もしい機能といえるでしょう。
その先進安全装備は、全車に標準装備。たとえば、「アクティブブレーキアシスト (歩行者/飛び出し/右折時対向車検知機能付)」が用意されています。こちらは、対向車線を横切って右折する際に、直進してくるクルマと衝突する危険がある場合、10km/h以内であれば自動ブレーキが作動する機能です。
価格は「GLE 400 d 4MATIC クーペ スポーツ」が1186万円(ステアリング位置は右)、ISG搭載モデルの「メルセデス AMG GLE 53 4MATIC+ クーペ」が1421万円(ステアリング位置は左右共に設定)。なお、ガチンコとなるBMW X6は、990万円〜1402万円です。X6にも直列6気筒の3.0Lディーゼルエンジン、4.4L V8ガソリンが用意されています。
(塚田勝弘)