■1.6Lディーゼルエンジンの最新仕様も設定
2020年5月14日、FCAはイタリアにあるFCAのメルフィ工場で生産される欧州市場向けの新型ジープ・コンパスの受注を開始したと発表しました。
トピックスは燃費の向上、コネクティビティのアップデートなど技術的なものが中心です。ジープ・コンパスは、レネゲードと共に、2019年の欧州市場において40%を占める主力モデル。
搭載されるガソリンエンジンは、130ps(MT)、150ps(デュアルクラッチトランスミッション)の2つの出力バリエーションを備えた新型1.3Lガソリンターボで、駆動方式はFFになります。
この1.3Lガソリンエンジンは、先にジープ・レネゲードに搭載されたFCAのグローバルエンジン(モジュールエンジン)という位置づけ。「Euro 6D Final」規格に適合し、GPFフィルター(Gasoline Particulate Filter)が搭載されています。また、ATが搭載された従来のガソリン4WDと比較して燃料消費量は最大30%(WLTPサイクル)改善しています。
さらにディーゼルエンジンでは、「SCR(選択的触媒還元)」が採用された120psの1.6L「マルチジェットⅡ」ディーゼルエンジンの最新バージョンも設定。また、2020年後半頃にはPHEV(プラグインハイブリッド)で4WDの「4xe」の追加も予定されています。
こちらは1.3Lガソリンターボとモーターが組み合わされ、最高速は200km/h。EV走行モードは130km/hが条件となっていて、モーターのみの航続可能距離は50kmとアナウンスされています。
PHEVのシステム出力は190ps版と240psの高性能バージョンが用意され、「4xe」の車名からも分かるように、駆動方式は4WDのみとなります。
また、コンパスに初めて、乾式のデュアルクラッチトランスミッションと組み合わされたFFと新たに「スポーツ」モードを用意。さらに、「Longitude(ロンジチュード)」グレードには、8.4インチディスプレイの「Uconnect」コネクティビティが標準装備されます。
PHEVの「4xe」モデルには、「My Uconnect」アプリから直接バッテリーの充電レベルをチェックしたり、充電や空調のスケジュールを設定したりできるそう。バッテリー残量が少なくなると「My Uconnect」アプリと「Uconnect 8.4インチナビゲーション」で最寄りの充電ステーションを表示することも可能だそう。
外観では「アイボリードライコート」「コロラドレッド」「ブルーイタリア」「ブルーシェード」「テクノグリーンメタリック」の5色のボディカラー(いずれも欧州でのボディカラーの呼び名)が新たに設定され、ブラックルーフとの組み合わせも可能になっています。6つの新しいアルミホイールなどが設定されるほか、新しいトノカバーも全バージョンで用意。
走りもアップデートされます。ステアリングに新たなチューニングが施されるほか、サスペンションシステムにも手が入れられます。悪路での快適性に影響を与えることなく、ボディの動きを制限するための、FSDと呼ばれるバルブ付きショックアブソーバーの進化も含まれます。
新型コンパスは、高速コーナリング時の安定性、トレース性が高められ、ロール&ピッチを抑制するほか、ブレーキの安定性を向上させたそう。
また、メキシコ、ブラジル、中国、インド、そしてイタリアで生産されているジープ・コンパスは、まもなく発売される「4xe」PHEVバージョンにも対応するとしています。欧州での市販開始は6月からで、日本での発売時期などはまだ明らかにされていません。
(塚田勝弘)