■なかなか開幕できないモータースポーツ。コロナウイルスの影響は登竜門のシリーズにも…
新型コロナウイルスによる感染拡大を抑止するために緊急事態宣言が発令された影響などにより、モータースポーツはなかなか開幕されません。
国内3大レースと言われるSUPER GT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久はもとより、登竜門ともいえる各サーキットや各種団体が主催するレースやラリー、ジムカーナやダートトライアル等の地方戦も開催が延期されている状況です。
そんな地方戦に出場する選手は、資金面で苦しいながらも情熱でモータースポーツに参戦してきました。彼らの情熱を様々な形で支えてきたもののひとつに「スカラシップ制度」というものがあります。
SUPER GTでStudie BMW M6、スーパー耐久でDXLアラゴスタNOPROアクセラSKY-DなどをスポンサードしているブレーキメーカーのDIXCELは、JAF戦や対象競技に参戦する選手に対し成績や完走などへのポイントを付与するという形のスカラシップを行っています。ポイントがたまればブレーキパッドやグッズ類と交換できるというものです。
スカラシップ期間は1年もしくは2年となっていますが、今年はコロナ禍の影響で未だ競技が開催されずスカラシップを受けている参加者はポイントをためることができません。
つまりせっかくのスカラシップを無駄にしてしまう可能性が出てきたのです。
■DIXCELはスカラシップを無条件で1年延長
5月12日、DIXCELは大きな発表をしました。現在スカラシップの対象者は手続き無し・条件無しで1年間の期間延長を発表したのです。
全く競技が行われないまますでにシーズンの3分の1が経過している状況で、少しでも競技参加者を勇気づけたいという気持ちの表れがこの発表につながっています。
様々なメーカーやサプライヤーが、様々なやり方でモータースポーツの若手育成と、そのすそ野を広げるためにスカラシップを行っています。そのなかでもDIXCELのスカラシップはポイント制でスカラシップを受けるハードルが低いことから人気があり、参加者もかなりの人数に上ります。
いずれは終息するであろうコロナ禍ですが、様々な不安要素からアフターコロナでモータースポーツの競技人口が減ってしまう可能性があります。そんな不安を少しでも和らげ、モータースポーツを続けていける環境のため、情熱を止めないための先鞭をつけたという意味でも、DIXCELのスカラシップ延長は大きな意味を持つといえます。
モータースポーツに限らず、今後もさまざまなスカラシップ導入企業がDIXCELのような施策を実施してくれることを願って止みません。
(松永和浩)
【関連リンク】
DIXCELスカラシップ
http://www.dixcel.co.jp/subcontent/scholarship/