トヨタが認定中古車ブランドを「トヨタ認定中古車」に一新。販売、仕入れ、卸売りなども強化

■ユーザーの拡大を目指すだけでなく、中古車市場を変革させる!?

トヨタは、認定中古車ブランドを「トヨタ認定中古車」に一新すると発表しました。中古車におけるデジタル領域を強化するなど、中古車の仕入れから販売(小売り、卸売り)まで、全体を通じて中古車事業を強化するとしています。

100年に一度の大変革と言われる中、トヨタは「モビリティカンパニー」への転換を目指し、全国の販売店と共により地域に根差した販売ネットワークの構築を図っています。「CASE(コネクティッド、自動化、シェアリング、電動化)」の進展により、市場の変化が加速する中、顧客のクルマの使い方も所有、利活用などと多様化。同社では、多様なニーズに応えられるように、様々なサービスの提供に取り組んでいます。

トヨタ 認定中古車
トヨタの中古車ブランドを「トヨタ認定中古車」に一新

中古車事業では、多くの顧客が購入検討時にWebを活用されているという現状を踏まえ、デジタル分野を中心に新たな施策を展開。トヨタが持つ安心のメンテナンス体制、品質に加え、デジタル分野を強化することで、ユーザーの利便性をさらに向上していくとしています。

また、販売事業を支えるクルマの仕入れ、卸売りについても、トヨタグループ内のネットワークを強化。安心、信頼できるクルマをより多く揃えるとしています。

■仕入れ、販売を支える卸売りも強化

先述したように、認定中古車ブランドを「トヨタ認定中古車」に刷新。トヨタが提供する安心安全な認定中古車であることをより分かりやすくするために、これまでエンジン、車両要件により「T-Value」「T-Valueプレミアム」「T-Valueハイブリッド」「T-Valueプレミアムハイブリッド」の4つに分かれていた中古車ブランドを2020年4月1日より「トヨタ認定中古車」に統一。

トヨタ 認定中古車
2020年4月1日から「トヨタ認定中古車」をスタート

次に、デジタル領域の強化が図られます。4月1日からトヨタ公式中古車サイトのデザインが新しくなり、よりトヨタの公式サイトとしてわかりやすいデザイン、掲載コンテンツの充実のほか、検索結果の表示方法、視認性を改善することで、使い勝手の向上が図られています。また、将来的には他自動車メーカーの公式中古車サイトとの連携により、他メーカー系列の販売店在庫検索など、さらなる充実を目指すそう。

また、2020年年央予定には、オンラインで注文可能なサービスがスタート。オンラインで商談・注文ができるサービスを2020年年央に一部商品から開始されます。自宅にいながらトヨタ公式中古車サイト内の専用ページにて、24時間トヨタの中古車の注文が可能になります。

さらに、全国の店頭在庫を最寄の販売店で商談、購入できるサービスも2020年年央予定で開始。全国のトヨタ認定中古車店で一部の車両を共有し、トヨタ公式中古車サイトにて「お取り寄せ車両」として公開、全国のトヨタ認定中古車店で商談、購入が可能となるサービスがスタートします。同サービスにより、全国各地の在庫車を最寄りの販売店で購入できます。2019年6月より11府県でトライアル導入してきたサービスで、2020年年央以降に全国で展開されます。

仕入れの強化も盛り込まれています。卸売り車両のトヨタグループ内流通の促進により、従来オークションなどで各販売店が卸売りしていた車両を、専用の取引システムにより、全国のトヨタ販売店間で相互に共有できるシステムが構築されています。

質の高い中古車をトヨタグループ内で流通させることで、トヨタ販売店における販売力強化を目指すのが狙い。また、他メーカー系列販売店とも、お互いの自社ブランドの中古車流通促進を図るため、同様の仕組みの構築を検討しているそう。

販売を支える卸売りの強化も図られています。オートオークション活性化による卸売りの強化、安心、安全な中古車の流通促進を目指すとしています。トヨタの関連会社であるトヨタユーゼック、シーエーエーにより、オークション会場ならびにヤード能力を全国で順次拡大。卸売りでもトヨタグループのネットワーク力を広げると共に、オンライン注文など中古車販売スキームの多様化を見据え、全国規模での流通ヤードの拡充ならびにシステムの充実が図られます。

加えて、オークション会場の一部で、ダイハツ、マツダ、SUBARU、日野のコーナーが設置されるなど、メーカーを超えた連携により、安心、安全な中古車の流通促進に貢献すると表明しています。トヨタが販売だけでなく、メーカーの垣根を越えた連携のほか、仕入れ、卸売り、オークションの強化などを盛り込むことで、中古車市場の活性化、あるいはさらなる競争激化も進むかもしれません。

(塚田勝弘)

【関連サイト】

トヨタ公式中古車サイト
https://gazoo.com/U-Car/

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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